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HER2陰性進行胃/胃食道接合部腺がんに対する初回治療としての改良型FLOT、無増悪生存期間を有意に改善 The Lancet Oncologyより
[公開日] 2025.05.08[最終更新日] 2025.05.08
この記事の3つのポイント
・HER2陰性進行胃/胃食道接合部腺がんを対象とした第3相のPRODIGE 51-FFCD-GASTFOX試験
・初回治療としての改良型FLOT(TFOX)の有効性・安全性を比較検討
・FOLFOXと比較して無増悪生存期間、全生存期間、および奏効率を有意に改善
2025年4月23日、医学誌『The Lancet Oncology』にて、HER2陰性進行胃/胃食道接合部腺がんに対する初回治療としての改良型FLOT(TFOX)とFOLFOX療法を比較検証した第3相のPRODIGE 51-FFCD-GASTFOX試験の結果がUniversity of Paris CitéのAziz Zaanan氏らにより公表された。
PRODIGE 51-FFCD-GASTFOX試験は、HER2陰性進行胃/胃食道接合部腺がん患者に対する初回治療として、2週を1サイクルとしてドセタキセル50mg/m2+フォリン酸400mg/m2+オキサリプラチン85mg/m2+5-FU持続注入2,400mg/m2を投与する群(TFOX)、フォリン酸400mg/m2+オキサリプラチン85mg/m2+5-FUボーラス400mg/m2+持続注入2,400mg/m2を投与する群(FOLFOX)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、奏効率(ORR)、安全性を検証した無作為化非盲検多施設共同試験である。
本試験の結果、主要評価項目であるPFSの中央値は、TFOX群で7.59ヶ月(95%信頼区間:7.06-7.95ヶ月)に対してFOLFOX群で5.98ヶ月(95%信頼区間:5.65-6.97ヶ月)を示した。副次評価項目であるOSの中央値は、TFOX群で15.08ヶ月(95%信頼区間:13.70-16.72ヶ月)に対してFOLFOX群で12.65ヶ月(95%信頼区間:10.94-14.00ヶ月)を示し、TFOX群で死亡のリスクが18%改善した(ハザード比:0.82,95%信頼区間:0.68-0.99,P=0.048)。またORRは、TFOX群で62.3%に対してFOLFOX群で53.4%を示した(P=0.045)。
一方の安全性として、多くの患者で確認されたグレード3-4の有害事象(AE)は、下痢がTFOX群で15%に対してFOLFOX群で7%、末梢神経障害が32%に対して20%、好中球減少症が27%に対して18%、倦怠感が16%に対して8%を示した。重篤な治療関連有害事象(SAE)は、TFOX群で27%に対してFOLFOX群で13%、治療関連死はTFOX群で2例、FOLFOX群で1例認められた。
以上のPRODIGE 51-FFCD-GASTFOX試験の結果よりAziz Zaanan氏らは、「TFOXレジメンは、ドセタキセル3剤併用化学療法の適応となる患者にとって、新たな第一選択治療選択肢となる可能性があります」と結論付けた。
参照元:
TFOX versus FOLFOX in first-line treatment of patients with advanced HER2-negative gastric or gastro-oesophageal junction adenocarcinoma (PRODIGE 51- FFCD-GASTFOX): an open-label, multicentre, randomised, phase 3 trial(The Lancet Oncol. 2025 doi:10.1016/S1470-2045(25)00130-5)ニュース
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