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局所進行頭頸部扁平上皮がんの標準療法に対する周術期キイトルーダの追加、無イベント生存率を有意に改善 AACR2025
[公開日] 2025.05.08[最終更新日] 2025.05.07
2025年4月25日-30日、米国シカゴで開催された米国癌学会(AACR)2025にて、局所進行頭頸部扁平上皮がんに対する周術期キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)の有効性・安全性を検討した第3相KEYNOTE-689試験の結果が報告された。
KEYNOTE-689試験は、局所進行頭頸部扁平上皮がん(III/IVA期の喉頭/下咽頭/口腔がん、III/IVA期のp16陰性中咽頭がん、III期T4 N0-2のp16陽性中咽頭がん)を対象に、標準療法である術後放射線療法±化学療法を実施する群と、標準療法に術前・術後のキイトルーダを追加する群を比較検討したランダム化非盲検第3相試験である。
追跡期間中央値が38.3ヶ月時点で、キイトルーダ併用群には363例、標準療法群には351例が登録された。主要評価項目である独立中央判定における無イベント生存率(EFS)の中央値は、CPS(PD-L1スコア)≥10の集団においては、キイトルーダ併用群で59.7ヶ月に対して標準療法群で26.9ヶ月(ハザード比:0.66、95%信頼区間:0.49-0.88、p = 0.0022)を示した。またCPS ≥ 1の集団におけるEFSの中央値は59.7ヶ月に対して29.6ヶ月(ハザード比:0.70、95%信頼区間:0.55-0.89、p = 0.0014)、全患者集団におけるEFSの中央値は、51.8ヶ月に対して30.4ヶ月(ハザード比:0.73、95%信頼区間:0.58-0.92、p = 0.0041)であり、いずれの集団においてもキイトルーダ併用群で有意な改善が認められた。
副次評価項目である病理学的大奏効(mPR)率の両群の差は、CPS ≥ 10の集団で13.7%(95%信頼区間:9.7-18.7、p <0.00001)、CPS ≥ 1の集団で9.8%(95%信頼区間:7.0-13.3、p <0.00001)、全患者集団で9.3%(95%信頼区間:6.7-12.8、p<0.00001)であり、事前に規定された有意な改善が達成された。
安全性に関しては、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)の発現割合は、両群で同等であったが、死亡に至ったTRAEは、キイトルーダ併用群で4例に対して標準療法群では1例であった。免疫関連有害事象は、キイトルーダ併用群の43.2%で認められ、最も多かったものは、甲状腺機能低下症の24.7%であった。
以上の結果から、標準療法に対する術前・術後のキイトルーダの追加は、PD-L1の発現率に関わらず、EFSおよびmPR率を有意に改善することが示された。
参照元:
Neoadjuvant and adjuvant pembrolizumab plus standard of care in resectable locally advanced head and neck squamous cell carcinoma: Phase 3 KEYNOTE-689 study(AACR 2025)
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