この記事の3つのポイント
・切除可能なIIIA期非小細胞肺がんを対象とした第2相SAKK16/14試験
・術前化学療法に対する抗PD-L1抗体薬イミフィンジの周術期追加投与の有効性・安全性を検討
・術前化学療法に対する免疫療法の追加により、生存期間が有意に延長
2025年3月26-29日、フランス・パリで開催された欧州肺癌学会(ELCC 2025)にて、切除可能なIIIA期非小細胞肺がん(NSCLC)に対する術前化学療法(シスプラチン+ドセタキセル)への抗PD-L1抗体薬イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ)の周術期追加投与の有効性、安全性を検証した第2相SAKK16/14試験の結果がSacha Rothschild氏らにより公表された。
SAKK16/14試験は、切除可能なIIIA(N2)期NSCLC患者(N=68人)に対して、術前化学療法としてシスプラチン+ドセタキセル+イミフィンジを投与し、術後療法としてイミフィンジ単剤を最大1年間投与し、主要評価項目として1年無イベント生存率(EFS)を比較検証した多施設共同/単群の第2相試験である。
本試験のデータカットオフ時点でのEFSの中央値は4.0年(95%信頼区間:2.4年-未到達)、5年EFS率は45.9%(95%信頼区間:31.7%–59.0%)を示した。全生存期間(OS)の中央値は未到達であり、推定5年全生存率は65.8%(95%信頼区間:52.9%–76.0%)を示した。
また、病理学的完全奏効(MPR;生存腫瘍細胞10%未満)は34例(62%)で認められ、病理学的完全奏効(pCR)は10例(18%)で得られた。術後リンパ節郭清(ypN0-1)は37例(67%)で報告された。更にpCR達成例では5年全生存率が100%、MPR達成例では97%であった。
参照元:
Perioperative durvalumab in addition to neoadjuvant chemotherapy in patients with stage IIIa(N2) non-small cell lung cancer: Final analysis of the trial SAKK 16/14(J Thorac Oncol. 2025 doi:10.1016/j.jtho.2025.03.045.)あなたは医師ですか。