この記事の3つのポイント
・切除可能な胃がん/胃食道接合部がんを対象とした第3相のMATTERHORN試験
・周術期治療としての抗PD-L1抗体薬イミフィンジ+FLOT(フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチン、ドセタキセル)の有効性・安全性を検討
・FLOT単独と比較して、無イベント生存率を有意に改善
英アストラゼネカ社は3月7日、切除可能な早期および局所進行(II、III、IVA期)胃がん/胃食道接合部がんに対する周術期治療としての抗PD-L1抗体薬イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ)+現在の標準化学療法FLOT(フルオロウラシル、ロイコボリン、オキサリプラチン、ドセタキセル)の有効性、安全性を比較検証した第3相のMATTERHORN試験の結果の概要を公表した。
MATTERHORN試験は、切除可能な早期および局所進行胃がん/胃食道接合部がん患者(N=948人)に対し、術前療法としてイミフィンジ+FLOT療法を投与し、術後療法としてイミフィンジ+FLOTに続きイミフィンジ単剤を投与する群、もしくは術前療法としてプラセボ+FLOTを投与し、術後療法としてプラセボ+FLOTに続きプラセボ単剤を投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として無イベント生存期間(EFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、病理学的完全奏効率(pCR)等を比較検証したランダム化二重盲検下プラセボ対照多施設共同の第3相試験である。
本試験の結果、主要評価項目であるEFSは、FLOT単独群に比べてイミフィンジ+FLOT併用群で統計的に有意に改善された。また、中間解析時点における副次評価項目であるpCRは、イミフィンジ+FLOT併用群で19%に対してFLOT単独群で7%、イミフィンジを併用することによりpCRを2倍以上に向上させた(オッズ比3.08,P<0.00001)。
一方の安全性として、イミフィンジ+FLOT併用群の安全性プロファイルは、既存の臨床試験で確認された内容と一致しており、本試験で新たに確認された有害事象はなかった。
データの詳細は、今後開催される医学学会で発表予定である。
参照元:
アストラゼネカ株式会社 プレスリリースあなたは医師ですか。