この記事の3つのポイント
・既治療の転移性去勢抵抗性前立腺がんを対象とした第3相KEYNOTE-921試験
・抗PD-1抗体キイトルーダ+ドセタキセル併用療法の有効性・安全性を検討
・キイトルーダ上乗せによる効果の改善は認められず
2025年3月5日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて、既治療の転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)に対する抗PD-1抗体薬キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)+ドセタキセル併用療法の有効性、安全性を検証した第3相のKEYNOTE-921試験(NCT03834506)の結果がYale Cancer CenterのDaniel P. Petrylak氏らにより公表された。
KEYNOTE-921試験は、アンドロゲン除去療法もしくはアンドロゲン受容体経路阻害薬治療後に病勢進行したmCRPC患者に対して、キイトルーダ+ドセタキセル+プレドニゾンを投与する群、もしくはプラセボ+ドセタキセル+プレドニゾンを投与する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として画像的無増悪生存期間(rPFS)、全生存期間(OS)、副次評価項目として安全性を評価した無作為化二重盲検の試験である。
本試験は2019年5月30日から2021年6月17日までに515人がキイトルーダ併用群に、515人がプラセボ群に登録された。
追跡期間中央値22.7ヶ月時点において、主要評価項目であるrPFSの中央値はキイトルーダ併用群の8.6ヶ月(95%信頼区間:8.3–10.2ヶ月)に対してプラセボ群で8.3ヶ月(95%信頼区間:8.2–8.5ヶ月)を示し、キイトルーダ併用群で病勢進行または死亡のリスクが15%減少(HR:0.85,95%信頼区間:0.71–1.01,P=0.03)した。
もう1つの主要評価項目であるOSの中央値は、キイトルーダ併用群の19.6ヶ月(95%信頼区間:18.2–20.9ヶ月)に対してプラセボ群で19.0ヶ月(95%信頼区間:17.9–20.9ヶ月)を示し、キイトルーダ併用群で死亡のリスクが8%減少(HR:0.92,95%信頼区間:0.78–1.09,P=0.17)した。
一方の安全性として、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は、キイトルーダ併用群の43.2%に対してプラセボ群で36.6%を示した。TRAEによる死亡はキイトルーダ併用群の2人に対してプラセボ群で7人を示した。最も多い免疫関連有害事象は肺炎で、キイトルーダ併用群の7.0%に対してプラセボ群で3.1%を示した。
以上の結果よりDaniel P. Petrylak氏らは、「既治療のmCRPC治療におけるドセタキセルに対するキイトルーダの上乗せは、有効性の大幅な改善にはつながらず、現在の標準治療が変わる可能性はありません」と結論付けた。
参照元:
Pembrolizumab Plus Docetaxel Versus Docetaxel for Previously Treated Metastatic Castration-Resistant Prostate Cancer: The Randomized, Double-Blind, Phase III KEYNOTE-921 Trial(Journal of Clinical Oncology 2025 Doi:10.1200/JCO-24-01283)あなたは医師ですか。