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脳転移のある悪性黒色腫に対するオプジーボ+ヤーボイ、長期追跡後も効果を維持 The Lancet Oncologyより
[公開日] 2025.03.14[最終更新日] 2025.03.14
この記事の3つのポイント
・脳転移のある悪性黒色腫を対象とした第2相試験の長期追跡結果
・抗PD-1抗体薬オプジーボ+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイの有効性・安全性を検討
・オプジーボ+ヤーボイ併用療法は、7年追跡後も脳転移に対する効果を維持
2025年2月13日、医学誌『The Lancet Oncology』にて脳転移のある悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ(一般名:ニボルマブ)+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイ(一般名:イピリムマブ)併用療法とオプジーボ単剤療法の有効性を比較検証した第2相試験(NCT02374242)の結果がUniversity of Sydney・Melanoma Institute AustraliaのGeorgina V Long氏らにより公表された。
本試験では、免疫療法による治療歴がなく、未治療かつ無症状の頭蓋内病変を有する悪性黒色腫患者を対象に、3週を1サイクルとしてオプジーボ1mg/kg+ヤーボイ3mg/kgを4サイクル後、2週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg単剤を病勢進行又は許容できない有害事象(AE)が発症するまで投与する群(コーホートA:N=36人)、2週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg単剤を病勢進行又は許容できないAEが発症するまで投与する群(コーホートB:N=27人)にランダムに振り分けた。また既に治療歴がある、または神経症状がある、または軟髄膜疾患を有する患者を対象に、2週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg単剤を病勢進行又は許容できないAEが発症するまで投与した(コーホートC:N=16人)。3群における主要評価項目としてRECIST 1.1基準より完全奏効(CR)又は部分奏効(PR)を達成した頭蓋内病変の奏効率 (IRR:intracranial response rate)、副次評価項目として頭蓋内無増悪生存期間(iPFS)などを検証した。
本試験の追跡期間中央値7.6年において、主要評価項目であるIRRはコホートAで51%(95%信頼区間:34–69%,N=18人)、コホートBで20%(95%信頼区間:7–41%,N=5人)、コホートCで6%(95%信頼区間:0–30%,N=1人)を示した。
7年頭蓋内無増悪生存率は、コホートAで42%(95%信頼区間:29–63%)、コホートBで15%(95%信頼区間:6–39%)、コホートCで6%(95%信頼区間:1–42%)を示した。7年全生存率(OS)は、コホートAで48%(95%信頼区間:34–68%)、コホートBで26%(95%信頼区間:13–51%)、コホートCで13%(95%信頼区間:3–46%)を示した。死亡率はコホートAで51%(N=18人)、コホートBで72%(N=18人)、コホートCで88%(N=14人)を示した。
以上の結果よりGeorgina V Long氏らは、「無症候性の脳転移を有する悪性黒色腫に対するオプジーボ+ヤーボイ併用療法は少なくとも7年間有効性を維持することを示唆しており、同併用療法は、脳転移のある悪性黒色腫に対する標準治療となり得ることを示しています」と結論付けた。
参照元:
Ipilimumab plus nivolumab versus nivolumab alone in patients with melanoma brain metastases (ABC): 7-year follow-up of a multicentre, open-label, randomised, phase 2 study(The Lancet Oncology 2025 DOI: 10.1016/S1470-2045(24)00735-6)ニュース
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イピリムマブオプジーボニボルマブヤーボイ免疫チェックポイント阻害薬脳転移
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