この記事の3つのポイント
・再発または難治性大細胞型B細胞リンパ腫を対象とした第1相のALPHA2/ALPHA試験
・同種CD19標的CAR-T細胞療法cemacabtagene ansegedleucelの有効性・安全性を検討
・cemacabtagene ansegedleucelは良好で持続的な奏効を示す
2025年2月13日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて、再発または難治性大細胞型B細胞リンパ腫(R/R LBCL)に対する同種CD19標的CAR-T細胞療法であるcemacabtagene ansegedleucel(cema-cel)およびその前身であるALLO-501の第1相ALPHA2/ALPHA試験の結果がMoffitt Cancer Center and Research InstituteのFrederick L. Locke氏らにより公表された。
ALPHA2/ALPHA試験は、R/R LBCL患者に対して3日間のリンパ球除去前処置(フルダラビン30mg/m2/日、シクロホスファミド300または500mg/m2/日、抗CD52モノクローナル抗体ALLO-647の用量漸増投与)後、健常ドナー由来でヒト白血球抗原(HLA)不適合のcema-cel/ALLO-501を投与し、評価項目として全奏効率(ORR)、安全性等を検証した試験である。
本試験の患者33人の背景は、CAR-T療法歴がなく、年齢中央値が66歳、前治療歴の中央値が3レジメンであった。
結果はORRが58%、そのうち完全奏効率は42%であり、完全奏効を達成した患者の奏効期間(DOR)中央値は23.1ヶ月を示した。一方の安全性として最も多く見られた治療関連有害事象(TRAE)は血液毒性であった。移植片対宿主病(GVHD)、免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)、およびグレード3以上のサイトカイン放出症候群(CRS)は確認されなかった。
以上の試験の結果よりFrederick L. Locke氏らは、「同種CD19標的CAR-T細胞療法であるcema-celは、R/R LBCL患者に対して有望なORR、持続的な効率を示し、安全性も管理可能でした」と結論付けた。
参照元:
Allogeneic CAR T Cell Products Cemacabtagene Ansegedleucel/ALLO-501 in Relapsed/Refractory Large B-Cell Lymphoma: Phase 1 Experience From the ALPHA2/ALPHA Clinical Studies(Journal of Clinical Oncology 2025 Doi:10.1200/JCO-24-0193)あなたは医師ですか。