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高リスク上部尿路上皮がん患者に対する術前療法としての抗PD-L1抗体薬イミフィンジ+化学療法の併用療法 Journal of Clinical Oncologyより
[公開日] 2025.03.11[最終更新日] 2025.03.11
この記事の3つのポイント
・高リスク上部尿路上皮がん(UTUC)患者を対象とした第2相試験
・術前療法としてのイミフィンジ+化学療法の併用の有効性安全性を検討
・主要評価項目は達成せずもシスプラチン併用療法で腫瘍縮小において有望な結果
2025年2月14日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて高リスク上部尿路上皮がん(UTUC)患者に対する術前療法としての抗PD-L1抗体薬であるデュルバルマブ(商品名イミフィンジ;以下イミフィンジ)+化学療法(シスプラチンまたはカルボプラチン+ゲムシタビン)の併用療法の有効性、安全性を検討した第2相試験(NCT04617756)の結果がMontpellier UniversityのNadine Houédé氏らにより公表された。
本試験は、高リスク上部尿路上皮がん(UTUC)患者に対する術前療法として3週を1サイクルとしてイミフィンジ+ゲムシタビン+シスプラチン併用療法を4サイクル実施する群(コホート1)、3週を1サイクルとしてイミフィンジ+ゲムシタビン+カルボプラチン併用療法を4サイクル実施する群(コホート2)に無作為に振り分け、主要評価項目として病理学的完全奏効率(ypT0)を検討した第2相試験である。
本試験は2021年から2024年にかけて50人の患者が登録され、コホート1で31人、コホート2で19人が割り当てられた。年齢中央値は68歳(範囲:38~79歳)、59%が男性であった。45人の患者が4サイクルの治療を完了し、3人が3サイクル、1人が2サイクルを受けた。治療中に5人の患者がカルボプラチンへ変更した。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。
手術を受けた患者群(N=45)における病理学的完全奏効率(ypT0)は、コホート1で13%(4/29人)、コホート2で5%(1/19人)を示した。コホート1では50%(15/29人)、コホート2では42%(8/19人)の患者がpTa/pT1であった。一方の安全性として免疫療法による重篤な有害事象(SAE)は確認されなかった。化学療法関連の有害事象(AE)としてはグレード3の好中球減少症が4人、グレード4が1人、グレード3の血小板減少症が1人、グレード4が1人、グレード3の貧血が4人で確認された。
以上の第II相試験の結果よりNadine Houédé氏らは「いずれのコホートにおいても主要評価項目を達成できなかったものの、イミフィンジとプラチナ系化学療法、特にシスプラチンの併用療法は、腫瘍縮小(ダウンステージング)において有望な結果を示しました。また、安全性プロファイルは良好であり、手術リスクの増加も確認されませんでした」と結論を述べている。
参照元:
Safety and Efficacy of Neoadjuvant Durvalumab Plus Gemcitabine/Cisplatin or Carboplatin in Patients With Operable High-Risk Upper Tract Urothelial Carcinoma: The iNDUCT-GETUG V08 Trial(Journal of Clinical Oncology 2025 Doi:/10.1200/JCO-25-00179)ニュース
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