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2つのリアルワールドデータからみる光免疫療法による頭頸部がん治療の現状 ~楽天メディカルがメディアセミナーを開催~

[公開日] 2025.02.21[最終更新日] 2025.03.26

2月18日、楽天メディカル株式会社主催の「頭頸部がん治療の最新状況 ~頭頸部アルミノックス治療の最新リアルワールドデータ~」と題したセミナーが実施された。 花井信広先生(愛知がんセンター 副院長 兼 頭頸部外科部長)によると、頭頸部がんは、頭から首の様々な部位のがんを含むため、全部合わせると世界で6番目に多いがんであるにもかかわらず、各部位毎は希少がんに該当するため、個々のがんの認知度は高くない。 頭頸部がんの治療の中心は、長らく手術と放射線療法であったが、最近では、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤、そして直近では2020年に光免疫療法の使用も可能となっている。頭頸部がんは、食べる・話す・呼吸する等の生活に直結する機能に影響するため、治療においては根治と機能温存のバランスが難しい。また、何度も同じ部位に根治的な放射線の追加照射ができないこと、再発時の治療選択肢が限られていることなどの課題がある。 一方の光免疫療法は、がん細胞の表面タンパク質EGFRに抗体−光感受性物質複合体を結合させ、その後レーザー光を当てることによって、がん細胞を破壊することができる。腫瘍局所で作用するため、周囲への副作用が少なく、最大4回まで繰り返し治療も可能であり、花井先生によると、第5のがん治療法として期待されているという。 光免疫療法は2021年1月の実臨床における使用開始から約4年間で、これまでに国内で約800回の治療が実施されているという。国内の実臨床での使用に関しては、2つのリアルワールドデータの結果が発表されている。 「切除不能な局所進行または局所再発の頭頸部癌患者を対象としたアキャルックス(R)およびBioBlade(R)レーザシステムによる頭頸部アルミノックス治療の有効性および安全性に関する観察研究」(jRCT番号:jRCT1041210120)は、2021年1月から2022年9月までにアルミノックス療法を開始した76例の進行・再発頭頸部がん症例が解析対象。患者背景は、男性75%、年齢中央値73.5%、原発部位は口唇・口腔がん38.2%、中咽頭がん21.1%であった。RECIST ver.1.1に基づく効果判定は、全奏効率(ORR)が28.6%、そのうち完全奏効(CR)が12.7%、部分奏効(PR)が12.7%であった。 「アキャルックス点滴静注250mg一般使用成績調査(全国調査)」では、販売開始から2024年12月31日までの登録症例数220例のうち157例が安全性解析対象であった。主な副作用は、適用部位の疼痛(53.5%)、喉頭浮腫(21.0%)、また重篤な副作用として報告されたものとしては、喉頭浮腫(12.7%)、嚥下障害(5.1%)、適用部位の疼痛(5.1%)であった。更にグレード別の副作用発現状況を解析したところ、頸動脈出血及び腫瘍出血で1例、舌腫脹および喉頭浮腫で1例の計2名でグレード5の副作用が報告されている。 光免疫療法は、適切に選択された症例においては根治を目指せる治療であり、国内における観察研究で、海外第1/2相試験と同等の効果が確認されているという。一方の課題としては、観察研究における治療効果評価がレーザー照射病変のみに限定されていること、重篤な副作用発現の可能性も考慮した症例選択の必要性、等を挙げた。 最後に花井先生は将来展望として、より早期段階の頭頸部がんへの適応拡大を目指した開発、他剤との開発に言及した。既に光免疫療法とキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)との併用療法を評価する国際共同第3相試験が開始されているという。
ニュース 頭頸部がん 光免疫療法

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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