1月30日、厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が開催された。同部会において、審議事項のうち1製品が、また報告事項のうち3製品が抗がん剤関連であった。
審議品目
テセントリク点滴静注1200mg、同点滴静注840mg(アテゾリズマブ(遺伝子組換え))
申請企業:中外製薬
効能・効果:
「切除不能な胞巣状軟部肉腫」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品
テセントリクは、抗PD-L1抗体薬のひとつであり、既に成人固形がんにおいて複数の承認を取得している。
今回承認の対象となった胞巣状軟部肉腫においては、国内初のチェックポイント阻害剤としての承認となる。
胞巣状軟部肉腫は超希少がんの1つで、悪性軟部肉腫の1%未満を占める。日本人では年間15-40人に発症すると推定されており、若年(15-35歳、AYA世代)での発症が多い。切除不能な胞巣状軟部肉腫は予後が不良であり標準治療は確立されていない。
報告品目
エプキンリ皮下注4mg、同皮下注48mg(エプコリタマブ(遺伝子組換え))
申請企業:ジェンマブ
効能・効果:
「再発又は難治性の濾胞性リンパ腫(Grade1~3A)」を効能・効果とする新用量医薬品
エプキンリは、T細胞上のCD3とB細胞上のCD20を標的とした二重特異性抗体薬。
これまで「再発又は難治性の濾胞性リンパ腫」に対する適応は、Grade3Bに限定されていたが、今回の変更承認により、Grade1-3Aに対しても使用できるようになる。
サークリサ点滴静注100mg、同点滴静注500mg(イサツキシマブ(遺伝子組換え))
申請企業:サノフィ
効能・効果:
「多発性骨髄腫」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品
サークリサは、骨髄腫細胞の表面にあるCD38を標的とした抗体薬。
既に「再発又は難治性の多発性骨髄腫」に対して承認されている薬剤であるが、今回の適応拡大により、未治療の多発性骨髄腫に対する初回治療として使用可能となる。
レブラミドカプセル2.5mg、同カプセル5mg(レナリドミド水和物)
申請企業:ブリストル・マイヤーズスクイブ
効能・効果:
「多発性骨髄腫」を効能・効果とする新用量医薬品
レブラミドは免疫調節薬(IMiDs)の一種で、サイトカイン産生の調節作用、造血器がん細胞に対する増殖抑制作用、血管新生阻害作用などを持つと考えられている。
上記サークリサに対する初回治療の承認に伴い、併用療法として使用される用量が追加された。
参照元:
厚生労働省 薬事・食品衛生審議会(薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会)