この記事の3つのポイント
・再発難治性多発性骨髄腫を対象とした第1b/2相試験
・抗BCMA/CD3二重特異性抗体テクリスタマブ+抗GPRC5D/CD3二重特異性抗体タルクエタマブ併用療法の有効性・安全性を検討
・併用療法により高く持続的な効果を示す
2025年1月9日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて、再発難治性多発性骨髄腫(RRMM)に対する抗BCMA/CD3二重特異性抗体テクリスタマブ+抗GPRC5D/CD3二重特異性抗体タルクエタマブ併用療法の有効性、安全性を検証した第1b/2相試験の結果がTel Aviv Sourasky Medical CenterのYael C. Cohen氏らにより公表された。
RRMM患者に対して、第1相試験では、用量漸増試験として5つの用量レベルが検討され、第2相の推奨レジメンとして、0.8mg/kgのタルケタマブと3.0mg/kgのテクリスタマブを隔週で併用投与するレジメンが選択された。主要評価項目は有害事象(AE)発症率、用量制限毒性(DLT)であった。
同試験において合計94人の患者が治療を受け、44人に第2相の推奨レジメンが使用された。追跡期間中央値20.3ヶ月時点における結果、DLTは3人の患者で発現が確認され、特に第2相の推奨レジメンを使用した1例において、グレード4の血小板減少症が認められた。すべての用量レベルで最も多く確認されたAEは、サイトカイン放出症候群(CRS)、好中球減少症、味覚異常等であった。グレード3もしくは4の感染症発症率は64%を示した。
第2相の推奨レジメンでは、80%の患者で奏効が確認され、18ヶ月奏効持続率は86%を示した。すべての用量レベルでは、78%の奏効率と77%の18ヶ月奏効持続率を認めた。
以上の結果よりYael C. Cohen氏らは、「テクリスタマブ+タルクエタマブの併用療法では、グレード3/4 の感染症の発生率が高くなる傾向がある一方で、良好で持続的な抗腫瘍効果が認められました」と結論付けた。
参照元:
Talquetamab plus Teclistamab in Relapsed or Refractory Multiple Myeloma(N Engl J Med 2025 DOI:10.1056/NEJMoa2406536)あなたは医師ですか。