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【論文】食道腺がんに対する術前・術後療法としての化学療法、術前化学放射線療法と比較して生存率を改善 The New England Journal of Medicineより

[公開日] 2025.01.28[最終更新日] 2025.01.27

2025年1月23日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて、切除可能な局所進行食道腺がんに対する術前・術後療法としての化学療法と、術前療法としての化学放射線療法の有効性・安全性を比較検証した第3相ESOPEC試験(NCT02509286)の生存率に関する最終解析結果が発表された。

試験デザイン

対象

臨床病期cT1N+またはcT2-4a,cN0/+の局所進行切除可能食道腺がん

レジメン

試験群:術前・術後のFLOT(5-FU/ロイコボリン/オキサリプラチン/ドセタキセル)療法(n=221) 対照群:術前の化学放射線(41.4Gy+カルボプラチン、パクリタキセル)療法(n=217)

評価項目

主要評価項目:全生存期間(OS) 副次評価項目:無増悪生存期間(PFS)など

結果

昨年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)2024にて、既にFLOT療法の優位性が示されており、今回初めて科学雑誌に結果が報告された。

有効性

追跡期間中央値は55ヵ月時点において、3年生存率はFLOT群で57.4%(95%信頼区間:50.1-64.0)、化学放射線療法群で50.7%(95%信頼区間:43.5-57.5)であり、主要評価項目であるOSに関して、有意な差が認められた(ハザード比:0.70、95%信頼区間:0.53-0.92、P=0.01)。 また3年無増悪生存率は、FLOT群で51.6%(95%信頼区間:44.3‐58.4)、化学放射線療法群で35.0%(95%信頼区間:28.4‐41.7)であり、PFSについても有意な差が認められた(ハザード比:0.66、95%信頼区間:0.51‐0.85)。

安全性

グレード3以上の有害事象は、FLOT群で207人中120人(58.0%)、化学放射線療法群で196人中98人(50.0%)で認められた。また重篤な有害事象は、FLOT群で207人中98人(47.3%)、化学放射線療法群で196人中82人(41.8%)に観察された。 手術後90日時点での死亡率は、FLOT群で3.1%、化学放射線療法群で5.6%であった。

結論

FLOT療法による術前・術後化学療法は、術前化学放射線療法と比較して、切除可能な食道腺がんの生存率の改善につながることが明らかとなった。 参照元: Perioperative Chemotherapy or Preoperative Chemoradiotherapy in Esophageal Cancer(N Engl J Med. 2025 Doi:10.1056/NEJMoa2409408)
ニュース 食道がん FLOT療法化学放射線療法

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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