• 検索
  • 相談
  • お知らせ
  • メニュー
  • がん種
  • 特集
  • 治験
  • リサーチ
  • イベント
  • 体験談
  • 患者会
  • 辞典
  • お役立ち

既治療の再発難治性多発性骨髄腫に対するEmb-06、高い安全性と持続的な効果を示す ASH 2024

[公開日] 2025.01.14[最終更新日] 2025.01.10

この記事の3つのポイント ・既治療の再発難治性多発性骨髄腫を対象とした第1相試験 ・抗BCMA/CD3二重特異性抗体薬Emb-06単剤療法の有効性・安全性を検討 ・Emb-06は優れた安全性プロファイルと持続的な奏効を認める
2024年12月7日-10日に米国・サンディエゴ州で開催された米国血液学会(ASH 2024)にて、複数治療歴のある再発難治性多発性骨髄腫(RRMM)に対する抗BCMA/CD3二重特異性抗体薬Emb-06単剤療法の有効性、安全性を検証した第1相試験の結果がOne Clinical Research Pty LtdのPeter T. Tan氏らにより公表された。 本試験は、2レジメン以上の治療歴のあるRRMM患者に対してEmb-06単剤療法を0.2mgから300mgの用量で投与し、主要評価項目として安全性、最大耐用量(MTD)、第2相試験推奨用量(RP2D)、副次評価項目として薬物動態等を検証した多施設共同試験である。 本試験に登録された40人の患者背景は、年齢中央値が66歳(46-82歳)、前治療歴中央値が3レジメン(2-6レジメン)、直近の前治療へ難治性を示した患者割合が87.5%(N=35人)であった。 全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率は65%(N=26人)、グレード3以上のTRAE発症率は40%(N=16人)であった。主なTRAEとしては、好中球減少が30%、ALP上昇が27.5%、AST上昇が27.5%、白血球数減少が25%、貧血が25%、リンパ球数減少症が25%、サイトカイン放出症候群(CRS)が25%、ALT上昇が18%、血小板数減少症が17.5%、上気道感染が15%、感染性肺炎が15%を示した。 発症が確認されたCRS(25%)は、全てグレード1(20%)またはグレード2(5%)であった。また免疫細胞関連神経毒性症候群(ICANS)の発症は確認されなかった。用量制限毒性(DLT)は60mgコホートで1例確認され、また肺炎、心不全、クレアチニン増加、肝不全がそれぞれ1人の患者で確認された。重篤なTRAE発症率は27.5%を示し、その主な原因は感染性肺炎(12.5%)であった。 有効性は、評価可能な38例について解析され、客観的奏効率(ORR)は39%(N=15/38人)を示した。また120mg以上の用量における患者12人のORRは92%を示し、その内訳は厳格な完全奏効(sCR)1人、完全奏効(CR)3人、最良部分奏効(VGPR)5人、部分奏効(PR)2人を示した。sCR、CRを達成した4人の患者の100%で微小残存病変(MRD)検査陰性を達成した。奏効までの期間中央値は1.2ヶ月、奏効持続期間(DOR)中央値は未到達を示した。特筆すべき点として、有害事象により治療が3ヵ月以上遅延した患者においても、1例は奏効が持続し、2例は奏効が改善したこと(それぞれVGPRからCR、PRからCR)が示された。 以上の結果よりPeter T. Tan氏らは、「EMB-06はRRMM患者において、CRSの発生率が低くICANSを認めないという優れた安全性プロファイルを示し、前治療歴の多いRRMM患者において持続的な有効性を示しました」と結論付けた。 参照元: A Phase I Study of a Novel BCMA×CD3 Bispecific Antibody Emb-06 in Relapsed or Refractory Multiple Myeloma(ASH 2024)
ニュース 多発性骨髄腫 BCMACD3Emb-06二重特異抗体

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

治験・臨床試験

一覧を見る

リサーチ・調査

一覧を見る

ニュース

一覧を見る

イベント

一覧を見る

患者会

一覧を見る