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既治療の再発難治性慢性リンパ性白血病に対するエプキンリ、良好な奏効率を示す ASH 2024

[公開日] 2025.01.10[最終更新日] 2025.02.04

この記事の3つのポイント ・複数治療歴のある再発難治性多発性骨髄腫を対象とした第1/2相Epcore CLL-1試験 ・抗CD3/CD20二重特異性モノクローナル抗体エプキンリ単剤療法の有効性・安全性を検討 ・二つのコホートにより、良好な抗腫瘍効果を認める
2024年12月7日-10日に米国・サンディエゴ州で開催された米国血液学会(ASH 2024)にて、複数治療歴のある再発難治性慢性リンパ性白血病(CLL)に対する抗CD3/CD20二重特異性モノクローナル抗体エプキンリ(一般名:エプコリタマブ)の有効性、安全性を検証した第1/2相Epcore CLL-1試験(NCT04623541)のエプキンリ単剤の拡大コホートと1サイクル目の最適化コホートの結果が、City of HopeのAlexey Danilov氏らにより公表された。 本試験には、ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤を含む2レジメン以上の治療歴のあるCD20の再発難治性CLLまたは小リンパ球性リンパ腫(SLL)患者が登録された。28日を1サイクルとして1‐3サイクル目までは毎週、4‐9サイクル目までは2週おき、10サイクル目以降は4週おきにエプキンリ48mgが皮下投与された。拡大コホートにおいては、1サイクル目は1日目に0.16mg、8日目に0.8mg、15日目に完全用量である48mgになるように段階的に増量され、最適化コホートは、1日目に0.16mg、8日目に0.8mg、15日目に3mg、22日目に48mgと更に細かく段階的に増量された。拡大コホートにおいては主要評価項目として客観的奏効率(ORR)が、また最適化コホートにおいては主要評価項目として腫瘍崩壊症候群(CRS)、免疫細胞関連神経毒性症候群(ICANS)、臨床腫瘍崩壊症候群 (CTLS) の発生率と重症度も含めて評価された。 本試験に登録された患者背景(拡大コホート23例、最適化コホート17例)は、年齢中央値が71.5歳、前治療歴の中央値が4レジメン、初回診断からエプキンリ治療までの期間の中央値が11.6年、また前治療歴はBTK阻害薬が100%、化学免疫療法が88%、またほとんどの患者が高リスクの疾患特性を有していた(TP53異常が63%、IGHV変異なしが70%)。 本試験の結果、拡大コホートにおいては、ORRが61%、CRが39%、奏効までの期間中央値は2.0ヶ月、CRまでの期間中央値は5.6ヶ月を示した。また無増悪生存期間(PFS)の中央値は12.8ヶ月、全生存期間(OS)中央値は未到達を示した。また、TP53異常を有する15例の奏効率は67%、CRは33%、IGHV変異なしの16例の奏効率は63%、CRは44%、BTK阻害薬とBCL-2阻害薬の両方の治療歴のある19例の奏効率は53%、CRは37%であった。 また次世代シーケンシングによって微小残存病変 (MRD) を評価可能であった12人の奏効症例のうち、9人(75%)は標準のカットオフ値(10−4)でMRD検出不能、8人(67%)はさらに感度を高めたカットオフ値(10−6)でもMRDは検出されなかった。 安全性として、拡大コホートにおいて最も多く確認された非血液治療関連有害事象(TRAE)は、CRSが96%、下痢が48%、末梢性浮腫48が%、倦怠感が43%、インフュージョンリアクションが43%を示した。また重症のTRAEが4例で確認され、それぞれ肺炎(N=2)、敗血症(N=1)、皮膚扁平上皮がん(N=1)であった。確認されたサイトカイン放出症候群(CRS)は主に低グレードであった (グレード1が9%、グレード2が70%、グレード3が17%)。 一方の最適化コホートでは、致命的なTEAEは発生せず、CRSの重症度も大幅に軽減され、全てグレード1または2であった。両コホートにおいて、CRSイベントは主に最初のエプキンリ完全用量投与後に発生した。また最適化コホートでのCRSの重症度軽減と一致して、最初の完全用量投与から24時間後のIL-6レベルは、最適化コホートの方が低かった。 以上の結果よりAlexey Danilov氏らは、「エプキンリ単剤療法は、高リスクの特徴を有する既治療の再発難治性CLLにおいて有望な奏効率とMRD陰性率を達成しました。免疫関連毒性は、最適化コホートにより改善されが認められました。これらの所見は、CLLにおけるエプキンリの治療適用性と継続的な評価を支持するもです」と結論付けた。 参照元: Epcoritamab Monotherapy in Patients (Pts) with Relapsed or Refractory (R/R) Chronic Lymphocytic Leukemia (CLL): Results from CLL Expansion and Optimization Cohorts of Epcore CLL-1(ASH 2024)
ニュース 白血病 エプキンリエプコリタマブ慢性リンパ性白血病

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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