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新規多発性骨髄腫に対する自家幹細胞移植後の維持療法としてのテクリスタマブ±レナリドミド、安全な投与が可能 ASH 2024
[公開日] 2025.01.10[最終更新日] 2025.01.10
この記事の3つのポイント
・新たに診断された多発性骨髄腫を対象とした第3相Majestec-4/EMN30試験の安全性パート
・自家幹細胞移植後の維持療法として、テクリスタマブ単剤およびレナリドミドとの併用療法を検討
・単剤および併用療法はいずれも安全かつ有望な抗腫瘍効果を認める
2024年12月7日-10日に米国・サンディエゴ州で開催された米国血液学会(ASH 2024)にて、新規多発性骨髄腫(NDMM)に対する自家幹細胞移植(ASCT)後の維持療法として、BCMAとCD3に対する二重特異性抗体であるテクリスタマブ単剤療法、テクリスタマブ+レナリドミド併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のMajestec-4/EMN30試験の結果がIRCCS Azienda Ospedaliero-Universitaria di BolognaのElena Zamagni氏らにより公表された。
Majestec-4/EMN30試験は、NDMMに対する導入療法としてプロテアソーム阻害薬、免疫調節薬等の併用療法を4-6サイクル投与し、その後ASCT±地固め療法を実施し、部分奏効(PR)以上の奏効を示した患者が対象。維持療法として1-2サイクル目は週1回テクリスタマブ1.5mg/kg(3-6サイクル目以降は2週に1回3mg/kg、7サイクル目以降は4週に1回3mg/kg)+レナリドミド併用療法を最大2年間投与する群(コホート1)、1サイクル目は8,15日目にテクリスタマブ1.5mg/kg(2サイクル目以降は4週に1回3mg/kg)+レナリドミド併用療法を最大2年間投与する群(コホート2)、1サイクル目は8,15日目にテクリスタマブ1.5mg/kg(2サイクル目以降は4週に1回3mg/kg)単剤療法を最大2年間投与する群(コホート3)に分け、評価項目として奏効率(RR)、有害事象(AE)発症率等を比較検証した多施設共同ランダム化非盲検の試験である。
本試験に登録された94人(コホート1 32人、コホート2 32人、コホート3 30人)の患者背景は、年齢中央値が58-59歳、維持療法のサイクル中央値はそれぞれ15、6、6サイクルであり、全コホートの患者背景に大きな偏りは確認されなかった。
最も多くの患者で確認されたグレード3/4の治療関連有害事象(TRAE)は好中球減少症、感染症であった。治療開始4ヶ月時点の好中球減少症の全グレード、グレード3/4の累積発症率はコホート1に比べてコホート2,3で低率な傾向が確認された。同様の傾向が感染症においても確認され、全グレードの感染症発症率はコホート1で78%、コホート2で63%、コホート3で61%を示した。TRAEによる治療中止は、コホート2,3でそれぞれ1人確認された。
12ヶ月時点の微小残存病変(MRD)は、評価されたコホート1の全ての患者(N=28人)で陰性、試験開始時にMRD陽性であった10人の患者は治療開始後に陰性へ変化した。
以上のMajestec-4/EMN30試験の結果よりElena Zamagni氏らは、「NDMM におけるASCT後の維持療法として、テクリスタマブ±レナリドミドを安全に投与できます。コホート2および3では、コホート1と比較してテクリスタマブ投与頻度が少なく、早期の安全性結果が改善する傾向が見られました」と結論付けた。
参照元:
Phase 3 Study of Teclistamab (Tec) in Combination with Lenalidomide (Len) and Tec Alone Versus Len Alone in Newly Diagnosed Multiple Myeloma (NDMM) As Maintenance Therapy Following Autologous Stem Cell Transplantation (ASCT): Safety Run-in (SRI) Results from the Majestec-4/EMN30 Trial(ASH 2024)ニュース
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