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【論文】BRCA変異陽性再発卵巣がんに対する3次治療以降のリムパーザ、化学療法と比較して生存期間の延長は期待できず Journal of Clinical Oncologyより

[公開日] 2025.01.06[最終更新日] 2024.12.26

2024年12月12日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて、BRCA変異陽性再発卵巣がんに対する3次治療以降のリムパーザ(オラパリブ)の有効性・安全性を検証した第3相SOLO3試験(NCT02282020)の生存率に関する最終解析結果が発表された。

試験デザイン

対象

2回以上のプラチナ製剤を含む化学療法後、6ヵ月以降に再発したBRCA変異陽性プラチナ製剤感受性卵巣がん

レジメン

試験群:リムパーザ300 mgを1日2回経口投与(n=178) 対照群:医師が選択した非プラチナ製剤の化学療法単剤(n=88)

評価項目

主要評価項目:客観的奏効率(ORR) 副次評価項目:無増悪生存期間(PFS)、ランダム化以降2度目の増悪までの期間(PFS2)、全生存期間(OS)

結果

既にリムパーザ治療により、ORRおよびPFSの有意な改善が認められている。 今回は、OSの最終解析および探索的なBRCA復帰変異(BRCA1/2遺伝子の二次的な変異による機能回復)の解析結果が報告された。

有効性

全体集団におけるOSの中央値は、リムパーザ群で34.9ヵ月に対して化学療法群で32.9ヵ月であり、統計的な差は認めなかった(ハザード比:1.07、95%信頼区間:0.76-1.49、P=0.71)。 前治療のライン数により分けて解析した結果、2ラインの化学療法を受けた症例においては、OSの中央値がリムパーザ群で37.9ヵ月に対して化学療法群で28.8ヵ月を示し、リムパーザ群でOSの改善傾向が認められた(ハザード比:0.83、95%信頼区間:0.51-1.38。一方で、前治療として3種類以上の化学療法を受けた症例では、OSの中央値がリムパーザ群で29.9ヵ月に対して化学療法群で39.4ヵ月を示し、リムパーザ群でOSの短縮傾向が認められた(ハザード比:1.33、95%信頼区間:0.84-2.18)。 リムパーザ群に割り付けれた症例の中で、ベースラインにBRCA復帰変異が検出された症例(6例)においては、リムパーザの奏効が認められなかった。

安全性

結論

SOLO3での最終OS解析の結果、リムパーザと化学療法で同程度であることが示された。サブ解析から、前治療の化学療法が2ラインの場合には、OSの改善傾向が認められたが、3ライン以上では逆にOSの短縮傾向が見られた。またBRCA復帰変異が、治療成績に影響を与えている可能性が示唆された。 参照元: Olaparib as Treatment Versus Nonplatinum Chemotherapy in Patients With Platinum-Sensitive Relapsed Ovarian Cancer: Phase III SOLO3 Study Final Overall Survival Results(J Clin Oncol .2024 doi: 10.1200/JCO.24.00933.)
ニュース 卵巣がん PARPオラパリブリムパーザ

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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