この記事の3つのポイント
・B細胞非ホジキンリンパ腫を対象とした第2相EPCORE NHL‑2試験
・びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対する1次治療としてのエプキンリ+R-CHOP併用療法アームにおける安全性・有効性の結果
・併用療法により、管理可能な安全性プロファイルと深く持続的な奏効を認める
2024年12月7日-10日に米国・サンディエゴ州で開催された米国血液学会(ASH 2024)にて、B細胞非ホジキンリンパ腫を対象とした第2相EPCORE NHL‑2試験(NCT04663347)の中の、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対する初回エプキンリ(一般名:エプコリタマブ)+R-CHOP併用療法の有効性・安全性検証アームの結果がMemorial Sloan Kettering Cancer CenterのFritz Offner氏らにより公表された。
本試験は、IPIスコアが3以上のCD20陽性DLBCL患者(N=47人)に対する初回治療として、1-4サイクル目は1週に1回エプキンリ、5-6サイクル目は3週に1回エプキンリ+R-CHOP併用療法を実施し、その後28日を1サイクルとしてエプキンリ単剤を最長1年投与し、主要評価項目としてLugano基準に基づく最良奏効率(ORR)、副次評価項目として微小残存病変(MRD)陰性率を検証した試験である。今回は、2年追跡後のデータが発表された。
主要評価項目であるORRは100%(N=46/46人)を示し、完全奏効(CR)率は87%を示した。治療を受けた96%(N=44/46人)の患者がR-CHOP療法を6サイクル完遂し、CR率は91%(N=40/44人)を示した。R-CHOP療法を6サイクル完遂しなかった患者の2人は部分奏効(PR)を示した。副次評価項目であるMRD陰性率は91%(N=30/33人)を示した。
一方の安全性は、最も一般的な治療関連有害事象(TRAE)として、好中球減少症が70%、貧血が68%、サイトカイン放出症候群(CRS)が60%、倦怠感が49%、悪心が47%、発熱が43%、注射部位反応が40%を示した。9%(N=4人)の患者でTRAEによりエプキンリの投与が中止された。グレード5のTRAEは2人の患者で確認され、COVID-19と敗血症性ショックであった。CRSの重症度は、グレード1が45%、グレード2が11%、グレード3が4%で大半が低グレードであった。
以上の結果よりFritz Offner氏らは、「今回の結果は、初回治療としたのエプキンリ+R-CHOP併用療法の高い効果を示すものであり、現在進行中のDLBCLに対するエプキンリ+R-CHOPの第3相試験をさらに支持するものです」と結論付けた。
参照元:
Fixed-Duration Epcoritamab + R-CHOP Induces High Complete Response Rates in Patients with Previously Untreated Diffuse Large B-Cell Lymphoma Withhigh-Risk Features: Long-Term Results from the Epcore NHL-2 Trial(ASH 2024)あなたは医師ですか。