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乳がんにおけるダトロウェイ、および複数の二重特異性抗体が承認へ 薬事・食品衛生審議会(医薬品第二部会)より

[公開日] 2024.12.10[最終更新日] 2024.12.10

目次

12月6日、厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が開催された。同部会において、審議事項のうち4製品が、また報告事項のうち2製品が抗がん剤関連であった。

審議品目

ダトロウェイ点滴静注用100mg(ダトポタマブ デルクステカン(遺伝子組換え))

申請企業:第一三共 効能・効果: 「化学療法歴のあるホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がん」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品 ダトロウェイは、がん細胞の表面に発現しているTROP2を標的とした抗体に、トポイソメラーゼⅠ阻害剤を結合させた抗体薬物複合体(ADC)である。 今回の承認は、ダトロウェイと化学療法を比較した第3相TROPION-Breast01試験に基づくもの。2つの主要評価項目のうち、全生存期間に有意差は認められなかったものの、無増悪生存期間において有意な改善が示されていた。 日本において、TROP2を標的としたADCは、トロデルビ(サシツズマブ ゴビテカン)に続く二剤目の承認。なおトロデルビは、化学療法歴のある進行トリプルネガティブ乳がんに対して承認を得ている。

ルンスミオ点滴静注1mg、同30mg(モスネツズマブ(遺伝子組換え))

申請企業:中外製薬 効能・効果: 「再発又は難治性の濾胞性リンパ腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品 ルンスミオは、B細胞由来の腫瘍細胞表面に発現しているCD20と、免疫細胞であるT細胞の表面に発現しているCD3を認識する抗体を併せ持つ二重特異性抗体である。CD20とCD3に同時に結合することで、T細胞を効率よく腫瘍細胞への誘導できる。 なお類似の薬剤として、既にエプキンリ(一般名:エプコリタマブ)が承認されており、再発又は難治性の濾胞性リンパ腫および再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫に使用することができる。

イムデトラ点滴静注用1mg、同10mg(タルラタマブ(遺伝子組換え))

申請企業:アムジェン 効能・効果: 「がん化学療法後に増悪した小細胞肺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品 イムデトラは、小細胞肺がん細胞の表面に発現しているDLL3を認識する抗体と、T細胞の表面に発現しているCD3を認識する抗体を併せ持つ二重特異性抗体であり、T細胞をがん細胞の近くに効率よく誘導できる。 小細胞肺がんの患者さんの85‐94%において、がん細胞表面のDLL3発現が認められるが、正常細胞における発現はほとんど見られないことから、有望な治療標的と考えられている。 なおイムデトラは、2024年2月9日付で厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けている。

テクベイリ皮下注153mg、同皮下注30mg(テクリスタマブ(遺伝子組換え))

申請企業:ヤンセンファーマ 効能・効果: 「再発又は難治性の多発性骨髄腫(標準的な治療が困難な場合に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品 テクベイリは、骨髄腫細胞の表面に発現しているBCMAおよびT細胞の表面に発現しているCD3に結合する抗体を併せ持つ二重特異性抗体であり、骨髄腫細胞に対するT細胞の誘導を活性化する。 類似の薬剤として、BCMAとCD3を標的とした二重特異性抗体エルレフィオ(一般名:エルラナタマブ)が、再発又は難治性の多発性骨髄腫に対して既に承認されている。

報告品目

オプジーボ点滴静注20mg、同点滴静注100mg、同点滴静注120mg、同点滴静注240mg(ニボルマブ(遺伝子組換え))

申請企業:小野薬品 効能・効果: 「根治切除不能な尿路上皮がん」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品

ランダ注10mg/20mL、同注25mg/50mL、同注50mg/100mL(シスプラチン)

申請企業:日本化薬 効能・効果: 「尿路上皮がん」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品 オプジーボは、ヒト化抗PD-1モノクローナル抗体。既に尿路上皮がんに関しては、「尿路上皮癌における術後補助療法」として承認されている。 今回は尿路上皮がんの1次治療に対して、ゲムシタビンおよび白金系抗悪性腫瘍剤との併用療法として効能追加となる。 また今回のオプジーボの効能追加に伴い、併用薬であるランダに関しても、新しく効能・用量が追加となった。

キイトルーダ点滴静注100mg(ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))

申請企業:MSD 効能・効果: 「進行・再発の子宮体がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品 キイトルーダは、ヒト化抗PD-1モノクローナル抗体。既に子宮体がんに関しては、「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体がん」を対象として、レンビマ(一般名:レンバチニブ)との併用において、既に承認を得ている。 今回は、子宮体がんにおける1次療法として、化学療法との併用として効能が追加となった。 参照元: 厚生労働省 薬事・食品衛生審議会(薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会)
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浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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