この記事の3つのポイント
・治療歴のある進行頭頸部がんを対象とした第2相のEV-202試験
・ネクチン-4を標的とした標的抗体薬物複合体であるパドセブの有効性・安全性を検討
・併用療法により、良好な奏効率および持続的な効果を示す
2024年10月31日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて、治療歴のある進行頭頸部がんに対するネクチン-4標的抗体薬物複合体(ADC)であるパドセブ(一般名:エンホルツマブベドチン)の有効性、安全性を検証した第2相のEV-202試験(NCT04225117)の結果がUniversity of Michigan Rogel Cancer CenterのPaul L. Swiecicki氏らにより公表された。
EV-202試験は、治療歴のある切除不能再発/転移性頭頸部がん患者(N=46人)に対して、28日を1サイクルとして1、8、15日目にパドセブ1.25mg/kgを投与し、主要評価項目として主治医評価の客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として奏効持続期間(DOR)、病勢コントロール率(DCR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性を検証したオープンラベルの試験である。
登録された患者の半数以上(52.2%)は既に3ライン以上の全身療法を受けていた。追跡期間中央値9.3ヶ月時点における結果、主要評価項目であるORRは23.9%、副次評価項目であるDCRは56.5%、DORの中央値は未到達(追跡期間中央値11.3ヶ月時点では9.4ヶ月)を示した。PFSの中央値は3.9ヶ月、OSの中央値は6.0ヶ月をそれぞれ示した。
一方の安全性として、20%以上の患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)は、脱毛症が28.3%、疲労が26.1%、末梢感覚神経障害が23.9%を示した。グレード3以上のTRAEは、貧血が4.3%、好中球数減少が4.3%を示した。
以上のEV-202試験の結果よりPaul L. Swiecicki氏らは、「重度に前治療を受けた進行頭頸部がんにおいて、パドセブは良好な抗腫瘍活性を示し、安全性は既知のプロファイルと一致していました。これは、根治的局所療法が難しい進行性頭頸部がんに対するパドセブの臨床開発の根拠となります」と結論付けた。
参照元:
Phase II Trial of Enfortumab Vedotin in Patients With Previously Treated Advanced Head and Neck Cancer(Journal of Clinical Oncology 2024 DOI:10.1200/JCO.24.00646)あなたは医師ですか。