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MGMTメチル化陽性膠芽腫に対するテモゾロミド+ベリパリブ、全生存期間を改善せず

[公開日] 2024.11.15[最終更新日] 2024.11.12

この記事の3つのポイント ・MGMTメチル化陽性膠芽腫を対象とした第2/3相試験 ・テモゾロミド+PARP阻害剤ベリパリブ併用による有効性・安全性を検討 ・テモゾロミドに対するベリパリブ追加による生存期間の改善は認められず
2024年10月31日、医学誌『JAMA Oncology』にて、MGMTメチル化陽性膠芽腫に対するアジュバント療法としてのテモゾロミド+PARP阻害薬ベリパリブ併用療法の有効性、安全性を検証した第2/3相試験(NCT02152982)の結果がMayo Clinic・Jann N. Sarkaria氏らにより公表された。 本試験は、放射線療法およびテモゾロミド療法完遂後のMGMTメチル化陽性膠芽腫患者に対するアジュバント療法として、1‐5日目にテモゾロミド1日1回150-200mg/m2+1‐7日目にベリパリブ1日2回40mgを投与する群、もしくは1‐5日目にテモゾロミド1日1回150-200mg/m2+1‐7日目にプラセボを投与する群に無作為に振り分け、第3相パートにて主要評価項目として全生存期間(OS)を比較検証した試験である。 本試験に登録された患者背景は、年齢中央値が60歳(20-85歳)、性別は女性が42.5%(N=190人)であった。 OSの中央値は、ベリパリブ併用群の28.1ヶ月(90%信頼区間:24.3-33.3ヶ月)に対してプラセボ群で24.8ヶ月(90%信頼区間:22.6-27.7ヶ月)と、両群間で統計学的有意な差は確認されなかった(P=0.17)。しかしながら、24ヶ月、48ヶ月時点の生存率は、プラセボ群に比べてベリパリブ群で改善傾向が確認された。 グレード3または4の血液毒性は管理可能な範囲内であり、忍容性は良好であった。 以上の結果よりMayo Clinic・Jann N. Sarkaria氏らは、「MGMTメチル化陽性膠芽腫に対するアジュバント療法としてのテモゾロミド+ベリパリブ併用療法は、生存期間の統計的有意な改善にはつながりませんでした」と結論付けた。 参照元: Efficacy of Adding Veliparib to Temozolomide for Patients With MGMT-Methylated Glioblastoma(JAMA Oncol. 2024 doi:10.1001/jamaoncol.2024.4361)
ニュース 脳腫瘍 MGMTPARPベリパリブ膠芽腫

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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