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小児・AYA 世代の再発/難治性骨肉腫に対するレンビマ+イホスファミド+エトポシド、無増悪生存期間の統計的有意な改善は認めず
[公開日] 2024.11.05[最終更新日] 2024.11.05
この記事の3つのポイント
・小児、AYA 世代の再発/難治性骨肉腫を対象とした第2相のOLIE試験
・マルチキナーゼ阻害薬であるレンビマ+イホスファミド+エトポシドの有効性・安全性を検討
・併用療法による無増悪生存期間の有意な改善は認められず
2024年10月17日、医学誌『JAMA Oncology』にて、小児、AYA 世代の再発/難治性骨肉腫に対するマルチキナーゼ阻害薬であるレンビマ(一般名:レンバチニブ)+イホスファミド+エトポシド併用療法の有効性、安全性を比較検証した第2相のOLIE試験の結果がGustave Roussy Cancer CampusのNathalie Gaspar氏らにより公表された。
OLIE試験は、小児、AYA 世代の再発/難治性骨肉腫患者に対して1日1回レンビマ14mg/m2+イホスファミド3000mg/m2+エトポシド100mg/m2併用療法を実施する群、もしくはイホスファミド3000mg/m2+エトポシド100mg/m2併用療法を実施する群に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として4ヶ月無増悪生存率(PFS)、全生存期間(OS)等を比較検証したオープンラベルの第2相試験である。
本試験に登録された81人の患者背景は、年齢中央値が15歳(12-18歳)、男性が56.8%(N=46人)であった。
主要評価項目であるPFSの中央値は、レンビマ併用群の6.5ヶ月(95%信頼区間:5.7-8.2ヶ月)に対して化学療法単独群で5.5ヶ月(95%信頼区間:2.9-6.5ヶ月)と、レンビマ併用群で病勢進行または死亡のリスクを46%減少(HR:0.54,95%信頼区間:0.27-1.08,P=0.04)した。また4ヶ月無増悪生存率は、レンビマ併用群の76.3%(95%信頼区間:59.3%-86.9%)に対して化学療法単独群で66.0%(95%信頼区間:47.7%-79.2%)を示した。
副次評価項目であるOSの中央値は、レンビマ併用群の11.9ヶ月(95%信頼区間:10.1ヶ月-未到達)に対して化学療法単独群で17.4ヶ月(95%信頼区間:14.2ヶ月-未到達)と、レンビマ併用群で死亡のリスクが28%増加(HR:1.28,95%信頼区間:0.60-2.70,P=0.75)した。
一方の安全性として、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は、レンビマ併用群の89.7%(N=35/39人)に対して化学療法単独群で79.5%(N=31/39人)を示した。
以上のOLIE試験の結果よりNathalie Gaspar氏らは、「小児、AYA 世代の再発/難治性骨肉腫に対するレンビマ+イホスファミド+エトポシド併用療法は、事前に指定された統計的有意性の基準を満たしませんが、これらの結果は臨床実践と将来の試験設計の両方に役立つ可能性があります」と結論付けた。
参照元:
Lenvatinib Plus Ifosfamide and Etoposide in Children and Young Adults With Relapsed Osteosarcoma(JAMA Oncology 2024 doi: 10.1001/jamaoncol.2024.4381)ニュース
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