この記事の3つのポイント
・未治療の進行性胆道がんを対象とした第2相IMbrave151試験
・テセントリク+化学療法±アバスチンの有効性・安全性を検討
・テセントリク+化学療法+アバスチンは、特にVEGFR遺伝子高発現において無増悪生存期間を有意に改善
2024年10月18日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて、未治療の進行性胆道がんに対する抗PD-L1抗体薬テセントリク(一般名:アテゾリズマブ)+化学療法±ベバシズマブ併用療法の有効性、安全性を比較検証した第2相のIMbrave151試験(NCT04677504)の結果がVall d'Hebron University HospitalのTeresa Macarulla氏らにより公表された。
IMbrave151試験は、未治療の進行性胆道がん患者(N=162人)に対して、3週を1サイクルとしてテセントリク1200mg+化学療法(1,8日目にシスプラチン25mg/m2+ゲムシタビン1000mg/m2を最大8サイクル)+ベバシズマブ15mg/kg併用療法を実施する群、もしくは3週を1サイクルとしてテセントリク1200mg+化学療法(1,8日目にシスプラチン25mg/m2+ゲムシタビン1000mg/m2を最大8サイクル)を実施する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)を比較検証したランダム化二重盲検下比較試験である。
本試験の結果、主要評価項目であるPFSの中央値は、テセントリク+化学療法+ベバシズマブ併用群の8.3ヶ月に対してテセントリク+化学療法併用群で7.9ヶ月と、テセントリク+化学療法+ベバシズマブ併用群で病勢進行または死亡のリスクを33%(HR:0.67,95%信頼区間:0.46-0.95)減少した。なお、VEGFA遺伝子発現高率の患者においては、テセントリク+化学療法併用群に比べてテセントリク+化学療法+ベバシズマブ併用群で病勢進行または死亡のリスクを56%(HR:0.44,95%信頼区間:0.23-0.83)減少した。
OSの中央値は、テセントリク+化学療法+ベバシズマブ併用群の14.9ヶ月に対してテセントリク+化学療法併用群で14.6ヶ月であった(HR:0.97,95%信頼区間:0.64-1.47)。
一方の安全性として、グレード3もしくは4の有害事象(AE)発症率はテセントリク+化学療法+ベバシズマブ併用群で74%に対してテセントリク+化学療法併用群で74%を示した。
以上のIMbrave151試験の結果よりTeresa Macarulla氏らは、「未治療の進行性胆道がんに対するテセントリク+化学療法へのアバスチン上乗せは、PFSを改善しましたがOSは改善しませんでした。また、VEGFA遺伝子発現率はテセントリク+化学療法+アバスチンの治療予測効果因子として臨床的意義のある可能性が示唆されました」と述べた。
参照元:
Atezolizumab Plus Chemotherapy With or Without Bevacizumab in Advanced Biliary Tract Cancer: Clinical and Biomarker Data From the Randomized Phase II IMbrave151 Trial(Journal of Clinical Oncology 2024 doi:10.1200/JCO.24.00337)あなたは医師ですか。