この記事の3つのポイント
・悪性度の高いホルモン受容体陽性HER2陰性進行乳がんを対象とした第2相ABIGAIL試験
・初回治療におけるCD40アゴニスト抗体薬mitazalimab+mFOLFIRINOX併用療法の有効性・安全性を検討
・併用療法により、良好な奏効率および持続的な効果を示す
2024年9月13日から17日、スペイン・バルセロナで開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO2024)にて、悪性度の高いホルモン受容体陽性HER2陰性(HR+/HER2-)進行乳がんに対する初回治療としてのサイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害薬ベージニオ(一般名:アベマシクリブ)+内分泌療法の有効性、安全性を比較検証した第2相ABIGAIL試験の結果がHospital San Juan de Dios de CordobaのJuan De la Haba Rodriguez氏らにより公表された。
ABIGAIL試験は、予後不良の関連因子を有する悪性度の高いHR+/HER2-進行乳がん患者に対する初回治療として、28日を1サイクルとして1日2回ベージニオ150mg+1日1回レトロゾール2.5mgもしくは1,15,29日目にフェソロデックス(一般名:フルベストラント)500mg併用療法を実施する群、もしくは28日を1サイクルとして1,8,15日目にパクリタキセル90mg/m2を12週間投与し、その後ベージニオ+内分泌療法を実施する群に無作為に振り分け、主要評価項目として12週時点の客観的奏効率(ORR)を検証した多施設共同ランダム化非劣性の第2相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である12週時点のORRは、ベージニオ+内分泌療法群の58.8%に対して化学療法群で40.2%を示し、主要評価項目を達成した(OR:2.12,95%信頼区間:1.13-3.96,P=0.019)。
一方の安全性として、10%以上の患者で確認された全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は、好中球減少症がベージニオ+内分泌療法群の27%に対して化学療法群で29%であった。また貧血は16%に対して26%、下痢は68%に対して23%、無力症は37%に対して48%、吐き気は25%に対して18%を示した。
参照元:
ABIGAIL: Randomized phase II study of abemaciclib plus endocrine therapy with or without a short course of induction paclitaxel in patients with previously untreated HR-positive/HER2-negative advanced breast cancer with aggressive disease criteria
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