この記事の3つのポイント
・EGFR-TKI未治療のEGFR変異陽性非小細胞肺がんを対象とした第2相のRAMOSE試験
・EGFR-TKIタグリッソ+VEGFR-2モノクローナル抗体薬サイラムザ併用療法の有効性・安全性を検討
・併用療法により、無増悪生存期間の有意な改善が認められる
2024年10月8日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にてEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)未治療のEGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対するEGFR-TKIタグリッソ(一般名:オシメルチニブ)+VEGFR-2モノクローナル抗体薬サイラムザ(一般名:ラムシルマブ)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第2相のRAMOSE試験(NCT03909334,HCRN LUN-18-335)の結果がUT MD Anderson Cancer CenterのXiuning Le氏らにより公表された。
RAMOSE試験は、EGFR-TKI未治療のEGFR変異陽性NSCLC患者に対して、タグリッソ+サイラムザ併用療法を実施する群、もしくはタグリッソ単剤を投与する群に2:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)、全生存期間(OS)、安全性を比較検証したランダム化オープンラベルの第2相試験である。
本試験の追跡期間中央値16.6ヶ月における結果、主要評価項目であるPFSの中央値はタグリッソ+サイラムザ併用群の24.8ヶ月に対してタグリッソ単剤群で15.6ヶ月を示し、併用群で病勢進行または死亡のリスクを45%(HR:0.55,95%信頼区間:0.32-0.93,P=0.023)減少した。12ヶ月無増悪生存率は、タグリッソ+サイラムザ併用群の76.7%に対してタグリッソ単剤群で61.9%(P=0.026)を示した。
副次評価項目であるORR、DCRは、両群間で統計学的有意な差は確認されなかった。
全グレードの有害事象発症率は、タグリッソ+サイラムザ併用群の100%に対してタグリッソ単剤群で98%を示し、グレード5は両群間で0%、治療関連有害事象による治療中止率はタグリッソ+サイラムザ併用群の9.7%に対してタグリッソ単剤群で8.7%を示した。
以上のRAMOSE試験の結果よりXiuning Le氏らは、「オシメルチニブとラムシルマブの併用療法は、EGFR変異陽性NSCLCに対する治療薬として有望です」と結論付けた。
参照元:
A Multicenter Open-Label Randomized Phase II Study of Osimertinib With and Without Ramucirumab in Tyrosine Kinase Inhibitor–Naïve EGFR-Mutant Metastatic Non–Small Cell Lung Cancer (Journal of Clinical Oncology 2024 doi:10.1200/JCO.24.00533)あなたは医師ですか。