この記事の3つのポイント
・慢性骨髄性白血病を対象とした第3相のASC4FIRST試験
・初回治療としてのBCR-ABL1阻害薬であるAsciminib単剤療法の有効性・安全性を検討
・第2世代TKI阻害薬に比べて良好な抗腫瘍効果を示す
2024年9月13日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて慢性骨髄性白血病に対する初回治療としてのBCR-ABL1阻害薬であるAsciminib単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のASC4FIRST試験(NCT04971226)の結果がMedical Oncology at the University Medical Center JenaのAndreas Hochhaus氏らにより公表された。
ASC4FIRST試験は、慢性骨髄性白血病に対する初回治療として1日1回Asciminib 80mg単剤療法を投与する群(N=201人)、もしくは主治医選択のTKI阻害薬を投与する群(N=204人)に無作為に振り分け、主要評価項目として48週時点major molecular response(定義;BCR-ABL1転写レベル0.1%以下)を比較検証した第III相試験である。
本試験のフォローアップ期間中央値Asciminib単剤群16.3ヶ月、主治医選択のTKI阻害薬群15.7ヶ月時点における結果、主要評価項目である48週時点major molecular responseはAsciminib単剤群の67.7%に対して主治医選択のTKI阻害薬群で49.0%と、両群間の差は18.9%(95%信頼区間:9.6%-28.2%,P<0.001)を示した。
グレード3以上の有害事象(AE)発症率はAsciminib単剤群の38.0%に対してイマニチブ単剤群で44.4%、有害事象(AE)による治療中止率はAsciminib単剤群の4.5%に対してイマニチブ単剤群で11.1%を示した。また、第2世代TKI阻害薬群のグレード3以上の有害事象(AE)発症率は54.9%、有害事象(AE)による治療中止率は9.8%を示した。
以上のASC4FIRST試験の結果よりMAndreas Hochhaus氏らは、「慢性骨髄性白血病に対する初回治療としてのBCR-ABL1阻害薬であるAsciminib単剤療法は、イマニチブ、第2世代TKI阻害薬に比べて良好な抗腫瘍効果を示し、安全性プロファイルも良好でした」と結論付けた。
参照元:Asciminib in Newly Diagnosed Chronic Myeloid Leukemia(The New England Journal of Medicine 2024 DOI: 10.1056/NEJMoa2400858)