この記事の3つのポイント
・ハイリスク筋層浸潤尿路上皮がんを対象とした第3相のAMBASSADOR試験
・術後療法としての抗PD-1抗体薬キイトルーダの有効性・安全性を検討
・無病生存期間を有意に改善
2024年9月16日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にてハイリスク筋層浸潤尿路上皮がん患者に対するアジュバント療法としての抗PD-1抗体薬であるキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)単剤療法と経過観察の有効性、安全性を比較検証した第3相のAMBASSADOR試験(
NCT03244384)の結果がAndrea B. Apolo氏らにより公表された。
AMBASSADOR試験は、ハイリスク筋層浸潤尿路上皮者に対するアジュバント療法として、3週を1サイクルとしてキイトルーダ200mg単剤を1年間投与する群、もしくは経過観察を実施する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無病生存期間(DFS)、全生存期間(OS)を比較検証した試験である。
本試験の結果、主要評価項目であるDFSの中央値は、キイトルーダ単剤群の29.6ヶ月(95%信頼区間:20.0-40.7ヶ月)に対して経過観察群で14.2ヶ月(95%信頼区間:11.0-20.2ヶ月)と、キイトルーダ単剤群で病勢進行または死亡のリスクを27%減少(HR:0.73,95%信頼区間:0.59-0.90,P=0.003)した。
一方の安全性として、グレード3以上の有害事象(AE)発症率は、キイトルーダ単剤群の50.7%に対して経過観察群で31.6%を示した。
以上のAMBASSADOR試験の結果よりAndrea B. Apolo氏らは「ハイリスク筋層浸潤尿路上皮がんに対する術後療法としてのキイトルーダは、無病生存帰化を改善しました」と結論付けた。
参照元:
Adjuvant Pembrolizumab versus Observation in Muscle-Invasive Urothelial Carcinoma(The New England Journal of MedicineDOI: 10.1056/NEJMoa240172)