この記事の3つのポイント
・未治療の進行悪性黒色腫を対象とした第3相のCheckMate 067試験
・抗PD-1抗体薬オプジーボ単剤またはオプジーボ+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイ併用療法の10年の追跡結果
・ヤーボイ単剤と比較して、オプジーボ単剤およびオプジーボ+ヤーボイ併用療法は継続した効果を示す
2024年9月15日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて未治療の進行性悪性黒色腫(メラノーマ)に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ(一般名:ニボルマブ)+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイ(一般名:イピリムマブ)併用療法、オプジーボ単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のCheckMate 067試験(NCT01844505)の10年長期追跡の解析の結果がJedd D. Wolchok氏らにより公表された。
本試験は、未治療の進行性悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対して、3週を1サイクルとしてオプジーボ1mg/kg+ヤーボイ3mg/kg併用療法を4サイクル実施後、2週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg単剤を投与する群、または2週を1サイクルとしてオプジーボ3mg/kg+プラセボ療法を実施する群、または3週を1サイクルとしてプラセボ+ヤーボイ3mg/kg療法を4サイクル実施する群に1対1対1対の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として客観的奏効率(ORR)などを比較検証した第3相試験である。
本試験の追跡期間中央値10年時点における結果、主要評価項目であるOSの中央値は、オプジーボ+ヤーボイ併用療法で71.9ヶ月、オプジーボ単剤群で36.9ヶ月、ヤーボイ単剤群で19.9ヶ月を示し、ヤーボイ単剤群に比べてオプジーボ+ヤーボイ併用群で47%(HR:0.53,95%信頼区間:0.44-0.65)、オプジーボ単剤群で37%(HR:0.63,95%信頼区間:0.52-0.76)死亡のリスクが減少した。
メラノーマ特異的生存期間(melanoma-specific survival)中央値は、オプジーボ+ヤーボイ併用療法で120ヶ月以上、オプジーボ単剤群で49.9ヶ月、ヤーボイ単剤群で21.9ヶ月を示した。追跡期間3年時点で増悪が見られなかった患者群における10年メラノーマ特異的生存率(melanoma-specific survival)は、オプジーボ+ヤーボイ併用群で96%、オプジーボ単剤群で97%、ヤーボイ単剤群で88%を示した。
以上のCheckMate 067試験の10年長期追跡期間解析の結果より、Jedd D. Wolchok氏らは「未治療の進行性悪性黒色腫患者に対するオプジーボ単剤およびオプジーボ+ヤーボイ併用療法は、10年の追跡後も、ヤーボイ単剤療法に比べて継続した有効性を示しました」と結論付けた。
参照元:・抗PD-1抗体薬オプジーボ単剤またはオプジーボ+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイ併用療法の10年の追跡結果
・ヤーボイ単剤と比較して、オプジーボ単剤およびオプジーボ+ヤーボイ併用療法は継続した効果を示す
Final, 10-Year Outcomes with Nivolumab plus Ipilimumab in Advanced Melanoma(The New England Journal of Medicine 2024 DOI: 10.1056/NEJMoa2407417)