形質転換型未分化大細胞型リンパ腫に対する初回治療としてのテセントリク+ガザイバ+ベネクレクスタ、良好な安全性・有効性を示すThe Lancet Oncologyより


  • [公開日]2024.09.24
  • [最終更新日]2024.09.18
この記事の3つのポイント
・形質転換型未分化大細胞型リンパ腫(リヒター症候群)を対象とした第2相MOLTO試験
・初回治療としての抗PD-L1抗体薬テセントリク+抗CD20抗体薬ガザイバ+BCL2阻害薬ベネクレクスタの有効性安全性を検討
・形質転換型未分化大細胞型リンパ腫に対する新たな治療選択肢となる可能性

2024年9月10日、医学誌『The Lancet Oncology』にて、組織学的形質転換型未分化大細胞型リンパ腫(リヒター症候群)に対する初回治療としての抗PD-L1抗体薬であるテセントリク(一般名:アテゾリズマブ)+抗CD20抗体薬であるガザイバ(一般名:オビヌツズマブ)+BCL2阻害薬であるベネクレクスタ(一般名:ベネトクラクス)の有効性、安全性を比較検証した第2相MOLTO試験(NCT04082897)の結果がNiguarda Cancer CenterのAlessandra Tedeschi氏らにより公表された。

本試験は、組織学的形質転換型未分化大細胞型リンパ腫(リヒター症候群)患者に対する初回治療として、テセントリク+ガザイバ+ベネクレクスタ併用療法を実施し、主要評価項目として全患者群における客観的奏効率ORR;67%以上の奏効率を臨床的意義のある効果として評価)を検証した前向きオープンラベル多施設共同単群試験である。

本試験の追跡期間中央値16.8ヶ月時点における結果、主要評価項目であるORRは67.9%(95%信頼区間:47.6%-84.1%,N=19/28人)を示した。

グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は61%(95%信頼区間:40.6%-78.5%,N=17人)を示し、最も多く確認されたグレード3以上のTRAEは好中球減少症で、39%であった。重篤な有害事象(SAE)発症率は29%(95%信頼区間:14.2%-48.7%)、最も多く確認されたSAEは感染症で、18%であった。有害事象による死亡率は7%(N=2人)で、敗血症と真菌性肺炎であった。免疫関連有害事象(irAE)発症率は21.4%(N=6人)を示した。

以上の第2相試験の結果よりAlessandra Tedeschi氏らは、「形質転換型未分化大細胞型リンパ腫に対する初回治療としてのテセントリク+ガザイバ+ベネクレクスタ併用療法は、臨床的意義のある効果を示し、化学療法を必要としない第一選択薬となる可能性を示唆しています」と結論付けた。

参照元:
Atezolizumab, venetoclax, and obinutuzumab combination in Richter transformation diffuse large B-cell lymphoma (MOLTO): a multicentre, single-arm, phase 2 trial(The Lancet Oncology 2024 doi:10.1016/S1470-2045(24)00396-6)

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