筋層浸潤性膀胱がんに対する術前療法としてのオプジーボ+ナブパクリタキセルおよび術後療法としてのオプジーボ、良好な抗腫瘍効果を示すJournal of Clinical Oncologyより


  • [公開日]2024.09.19
  • [最終更新日]2024.09.12
この記事の3つのポイント
・筋層浸潤性膀胱がんを対象とした第2相のNURE-Combo試験
・術前療法としての抗PD-1抗体薬オプジーボ+ナブパクリタキセルおよび術後療法としてのオプジーボの有効性安全性を検討
・筋層浸潤性膀胱がんにおける免疫療法に新たな可能性

2024年9月5日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)に対する術前療法としての抗PD-1抗体薬オプジーボ(一般名:ニボルマブ)+ナブパクリタキセルおよび術後療法としてのオプジーボ単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相のNURE-Combo試験(NCT04876313)の結果がIRCCS San Raffaele HospitalのChiara Mercinelli氏らにより公表された。

NURE-Combo試験は、MIBC患者に対する術前療法として、3週を1サイクルとしてオプジーボ360mg+ナブパクリタキセル125mg/m2を4サイクル投与し、根治的膀胱摘除術後、術後療法として3週を1サイクルとしてオプジーボ360mgを13サイクル投与し、主要評価項目として病理学的完全奏効率副次評価項目としてmajor pathologic response、安全性、無イベント生存期間、全生存期間を検証した試験である。

本試験には31人が登録された。グレード3もしくは4の治療関連有害事象(TRAE)発症率は25.8%を示した。また、5人(16.1%)はTRAEのために、術前療法を4サイクル完遂することができなかった。

28人が根治的膀胱摘除術を受け、残りの3人においては術前療法後に臨床的完全奏効が認められたため、根治手術を拒否し、経尿道的膀胱腫瘍切除術を受けた。

有効性に関しては、10例が病理学的完全奏効を示し、主要評価項目を達成した。また経尿道的膀胱腫瘍切除術を受けた患者を含めると、70.9%(95%信頼区間:55%-87%)で主要な病理学的奏効が得られた。フォローアップ期間中央値12ヶ月時点において、術後に再発した患者は2人、12ヶ月無イベント生存率は89.8%(95%信頼区間:79.5%-100%)を示した。

以上のNURE-Combo試験の結果より、Chiara Mercinelli氏らは「今回の試験は、MIBC患者に対する術前療法としてのオプジーボ+ナブパクリタキセルおよび術後療法としてのオプジーボの有用性を証明した最初の臨床試験であり、免疫療法による治療戦略の機会を拡大する可能性が示唆されました」と結論付けた。

参照元:
First Results of NURE-Combo: A Phase II Study of Neoadjuvant Nivolumab and Nab-Paclitaxel, Followed by Postsurgical Adjuvant Nivolumab, for Muscle-Invasive Bladder Cancer(Journal of Clinical Oncology 2024 doi:10.1200/JCO.24.00576)

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