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進行悪性黒色腫に対するオプジーボ+レラトリマブとオプジーボ+ヤーボイの比較結果

[公開日] 2024.08.28[最終更新日] 2024.08.28

この記事の3つのポイント ・未治療の進行悪性黒色腫を対象とし第2/3相RELATIVITY-047試験および第3相CheckMate 067試験の比較
・抗PD-1抗体薬オプジーボ+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイと、オプジーボ+抗LAG-3抗体薬レラトリマブの有効性・安全性を間接的に比較解析
・レラトリマブ併用療法により、ヤーボイ併用と同等の有効性、かつ安全性向上の可能性
2024年8月13日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて、進行悪性黒色腫(メラノーマ)に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ(一般名:ニボルマブ)+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイ(一般名:イピリムマブ)と、オプジーボ+抗LAG-3抗体薬レラトリマブの有効性・安全性を、逆確率重み付け法という統計手法により、間接的に比較検証した結果がThe University of SydneyのGeorgina V. Long氏らにより公表された。 本試験は、未治療の進行悪性黒色腫患者に対するオプジーボ+ヤーボイ併用療法の有効性・安全性を比較検証した第3相のCheckMate 067試験、オプジーボ+レラトリマブ併用療法の有効性・安全性を比較検証した第2/3相のRELATIVITY-047試験において、逆確率重み付け法により患者背景のばらつきを調整し、無増悪生存期間(PFS)、確定完全奏効又は部分奏効の割合(cORR)、全生存期間(OS)、メラノーマ特異的生存(MSS)、治療関連有害事象(TRAE)を比較検証した試験である。 オプジーボ+レラトリマブ(n = 339)とオプジーボ+ヤーボイ(n = 297)の主要な患者背景はほぼ同等であった。逆確率重み付け法による調整後、オプジーボ+レラトリマブは、オプジーボ+ヤーボイと同等のPFS(ハザード比:1.08 [95%信頼区間:0.88‐1.33])、cORR(オッズ比:0.91 [95%信頼区間:0.73-1.14])、OS(ハザード比:0.94 [95%信頼区間:0.75‐1.19])、およびMSS(ハザード比:0.86 [95%信頼区間:0.67‐1.12])を示した。サブグループ解析では、末端黒色腫、BRAF変異陽性、および乳酸脱水素酵素が正常上限値の2倍を超える集団において、オプジーボ+ヤーボイ併用療法の方が良好な結果が示唆されたが、サンプル数が少なかったために解析には限界があった。 一方の安全性に関して、グレード3から4のTRAE発症率はオプジーボ+ヤーボイの61%に対してオプジーボ+レラトリマブで23%、治療中止を伴う全グレードのTRAE発症率は、オプジーボ+ヤーボイの41%に対してオプジーボ+レラトリマブで17%を示した。 以上の試験の結果よりGeorgina V. Long氏らは、「進行悪性黒色腫に対するオプジーボ+レラトリマブの併用は、大部分の患者集団において、オプジーボ+ヤーボイの併用と同等の有効性を示し、安全性も向上することが示唆されました。ただし、間接的な2つの試験の比較であるため、結果は慎重に解釈する必要があります」と述べている。 参照元:
First-Line Nivolumab Plus Relatlimab Versus Nivolumab Plus Ipilimumab in Advanced Melanoma: An Indirect Treatment Comparison Using RELATIVITY-047 and CheckMate 067 Trial Data(Journal of Clinical Oncology 2024 doi:10.1200/JCO.24.01125)
ニュース 悪性黒色腫(メラノーマ) レラトリマブ

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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