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測定可能残存病変陰性の成人急性リンパ性白血病に対する地固め療法としてのビーリンサイト+化学療法、生存率を改善

[公開日] 2024.08.15[最終更新日] 2024.08.15

この記事の3つのポイント ・測定可能残存病変陰性の成人急性リンパ性白血病を対象とした第3相のECOG-ACRIN-E1910試験
・地固め療法としての化学療法に、二重特異性T細胞誘導抗体であるビーリンサイト追加の有効性・安全性を検討
・併用療法により、生存率の大幅な改善が認められる
2024年8月2日、医学誌『New England Journal of Medicine』にて、測定可能残存病変(MRD)陰性の成人前駆B細胞急性リンパ性白血病(BCP-ALL)に対する地固め療法としての化学療法+BiTE (二重特異性T細胞誘導)抗体ビーリンサイト(一般名:ブリナツモマブ)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のECOG-ACRIN-E1910試験(NCT02003222)の結果がMayo ClinicのMark R. Litzow氏らにより公表された。 ECOG-ACRIN-E1910試験は、寛解導入療法後にMRD陰性と診断されたBCR-ABL融合遺伝子陰性BCP-ALL患者に対する地固め療法として、B細胞上のCD19表面抗原を標的としたBiTE抗体であるブリナツモマブ+化学療法を4サイクル投与する群(N=112人)、もしくは化学療法単剤を4サイクル投与する群(N=112人)に無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)、副次評価項目として無再発生存期間(RFS)を比較検証した第III相試験である。 本試験のフォローアップ期間中央値43ヶ月時点における結果、主要評価項目である3年全生存率は、ブリナツモマブ併用群の85%に対して化学療法単剤群で68%を示した。 また、3年無再発生存率は、ブリナツモマブ併用群で80%に対して化学療法単剤群で64%を示した。 安全性に関しては、ブリナツモマブ併用群では、化学療法単剤群よりも精神神経系イベントの発生率が高かった。 以上のECOG-ACRIN-E1910試験の結果よりMark R. Litzow氏らは「MRD陰性の寛解後に再発した成人BCP-ALL患者に対する地固め化学療法にブリナツモマブを追加したところ、全生存率が大幅に改善しました」と結論付けた。 参照元:
Blinatumomab for MRD-Negative Acute Lymphoblastic Leukemia in Adults(N Engl J Med 2024. DOI: 10.1056/NEJMoa2312948)
ニュース 白血病 地固め療法

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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