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結腸・直腸がんに対するフリュザクラ等、新規の抗がん剤が承認へ

[公開日] 2024.08.13[最終更新日] 2024.08.13

目次

8月2日に開催された厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会において、審議事項のうち3製品が、また報告事項のうち3製品が抗がん剤関連であった。

審議品目

フリュザクラカプセル1mg、同カプセル5mg(フルキンチニブ)

申請企業:武田薬品

効能・効果: 「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品

フルキンチニブは、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)1/2/3に対する高い選択性を持った経口阻害剤であり、がんの血管新生を抑えることで増殖を抑制すると考えられている。 前治療歴を有する転移性大腸がんを対象とした国際共同第3相FRESCO-2試験の結果に基づき、2023年9月に日本の医薬品医療機器総合機構(PMDA)へ承認申請を行った。

アレセンサカプセル150 mg(アレクチニブ塩酸塩)

申請企業:中外製薬

効能・効果: 「ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんにおける術後補助療法」を効能・効果とする新効能・新用量・その他の医薬品

アレセンサは経口のALK阻害剤で、日本においては既にALK陽性の転移性非小細胞肺がんに対する初回治療および二次治療、また未分化大細胞リンパ腫に対して承認されている。 今回の申請は、IB(腫瘍が4cm以上)‐IIIA期(UICC/AJCC第7版)のALK陽性非小細胞肺がんの完全切除後を対象としたグローバル第3相ALINA試験等の結果に基づく。 なお、海外では2024年4月に米国食品医薬品局(FDA)で、また6月に欧州委員(EC)に承認されている。

タスフィゴ錠35mg(タスルグラチニブコハク酸塩)

申請企業:エーザイ

効能・効果: 「がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品

タスフィゴは、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)であるFGFR1、FGFR2、FGFR3に対して選択的阻害活性を示す経口のチロシンキナーゼ阻害剤である。 国内において承認されいているFGFR阻害剤としては、ペマジール(一般名:ペミガチニブ)、リトゴビ(一般名:フチバチニブ)があるが、タスフィゴは従来のFGFR阻害剤とは異なる基本構造を有し、FGFRに高い選択性を持って素早く強力に結合すると考えらえれている。

報告品目

キイトルーダ点滴静注100mg(ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))

申請企業:MSD

効能・効果: 「非小細胞肺がんにおける術前・術後補助療法」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品

キイトルーダは、ヒト化抗PD-1モノクローナル抗体。今回の申請は、切除可能なII期、IIIA期、IIIB期の非小細胞肺がんを対象とした国際共同第3相KEYNOTE-671試験等の結果に基づくものである。

アリムタ注射用100mg、同注射用500mg(ペメトレキセドナトリウム水和物)

申請企業:日本イーライリリー

ペメトレキセド点滴静注用100mg「NK」、同点滴静注用500mg「NK」、同点滴静注用800mg「NK」、同点滴静注液100mg「NK」、同点滴静注液500mg「NK」、同点滴静注液800mg「NK」(ペメトレキセドナトリウムヘミペンタ水和物)

申請企業:日本化薬

効能・効果: 「扁平上皮がんを除く非小細胞肺がんにおける術前補助療法」を効能・効果とする新用量医薬品

いずれも非小細胞肺がんに対する術前補助療法としてのキイトルーダとの併用に関するもの。用法・用量は「他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人には、1日1回500mg/m2(体表面積)を10分間かけて点滴静注し、少なくとも20日間休薬する。これを1コースとし、最大4コース投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する」とされている。

参照元:
厚生労働省 薬事・食品衛生審議会(薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会)
ニュース タスフィゴ

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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