・切除可能食道扁平上皮がんを対象とした第3相のESCORT-NEO/NCCES01試験
・抗PD-1抗体薬であるカムレリズマブの有効性・安全性を比較検討
・化学療法単独と比較して、カムレリズマブは優れた病理学的完全奏効率を認める
2024年7月2日、医学誌『nature medicine』にて切除可能食道扁平上皮がん(ESCC)に対する術前化学療法としての抗PD-1抗体薬であるカムレリズマブ+化学療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のESCORT-NEO/NCCES01試験(ChiCTR2000040034)の結果がChinese Academy of Medical Sciences and Peking Union Medical CollegeのJianjun Qin氏らにより公表された。
ESCORT-NEO/NCCES01試験は、切除可能ESCC患者に対する術前療法としてカムレリズマブ+アルブミン結合パクリタキセル+シスプラチン併用療法を実施する群(Cam+nab-TP群、N=132人)、カムレリズマブ+パクリタキセル+シスプラチン併用療法を実施する群(Cam+TP群、N=130人)、パクリタキセル+シスプラチン併用療法を実施する群(TP群、N=129人)に1対1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として盲検下の独立中央画像判定機関(BICR)評価による病理学的寛解率(pCR)、主治医評価による無イベント生存期間(EFS)を比較検証した多施設共同ランダム化オープンラベルの第3相試験である。なお、各群は術前療法後に手術を施行し、Cam+nab-TP群、Cam+TP群は術後療法としてカムレリズマブ単剤療法を投与した。
本試験の結果、主要評価項目であるpCRは、Cam+nab-TP 群で28.0%、Cam+TP群で15.4%、TP群で4.7%を示し(Cam+nab-TP群とTP群の差は23.5%、95%信頼区間:15.1-32.0、P < 0.0001、Cam+TP群とTP群の差は10.9%、95%CI:3.7-18.1、P = 0.0034)、統計学的に有意な差が認められた。 もう1つの主要評価項目であるEFSのデータは未成熟であった。 一方の安全性として、術前療法中のグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は、Cam+nab-TP群で34.1%、Cam+TP群で29.2%、TP群で28.8%を示した。術前療法後の手術完遂率は、Cam+nab-TP群で34.2%、Cam+TP群で38.8%、TP群で32.0%を示した。
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