この記事の3つのポイント
・転移性膵管腺がんを対象とした第1b/2相のOPTIMIZE-1試験
・初回治療におけるCD40アゴニスト抗体薬mitazalimab+mFOLFIRINOX併用療法の有効性・安全性を検討
・併用療法により、良好な奏効率および持続的な効果を示す
2024年6月26日~29日、ドイツ・ミュンヘンで開催された欧州臨床腫瘍学会世界消化器癌会議(ESMO Gastrointestinal Cancers Congress 2024)にて、転移性膵管腺がん(PDAC)に対する初回治療としてのCD40アゴニスト抗体薬mitazalimab+mFOLFIRINOX併用療法の有効性、安全性を検証した第1b/2相のOPTIMIZE-1試験(NCT04888312)の結果がVall d’Hebron Institute of Oncology in BarcelonaのTeresa Macarulla Mercade氏らにより公表された。
OPTIMIZE-1試験は、転移性PDAC患者に対する初回治療として、1サイクル目は21間とし、1、10日目にmitazalimab、8日目にmFOLFIRINOX併用療法を実施後、2サイクル目以降は14日間とし、1日目にmFOLFIRINOX、3日目にmitazalimabを実施し、主要評価項目として奏効率、副次評価項目として奏効持続期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、病勢コントロール率(DCR)、安全性等を検証した試験である。
主要評価項目である奏効率は40.4%(完全奏効1例、部分奏効22例)を示した。また、DORの中央値は12.5ヶ月、PFSの中央値は7.7ヶ月、OSの中央値は14.3ヶ月、12ヶ月OS率は59.3%をそれぞれ示した。
更に、抗腫瘍免疫に関わるナチュラルキラーT細胞とCD8陽性T細胞の活性化が、mitazalimabの効果と関連していることが示唆された。
以上のOPTIMIZE-1試験の結果よりTeresa Macarulla Mercade氏らは、「転移性PDAC患者に対する初回治療としてのCD40アゴニスト抗体薬mitazalimab+mFOLFIRINOX併用療法は持続的な抗腫瘍効果を示し、予後延長に寄与する可能性が示唆されました」と結論付けた。
参照元:・初回治療におけるCD40アゴニスト抗体薬mitazalimab+mFOLFIRINOX併用療法の有効性・安全性を検討
・併用療法により、良好な奏効率および持続的な効果を示す
CD40 agonist mitazalimab combined with mFOLFIRINOX (mFFX) in patients with metastatic pancreatic ductal adenocarcinoma (mPDAC): Primary analysis of the OPTIMIZE-1 phase Ib/II study(ESMO GI 2024)