進行胆道がんに対するイミフィンジ+化学療法、長期追跡後も生存期間を改善ESMO GI 2024


  • [公開日]2024.07.29
  • [最終更新日]2024.07.25
この記事の3つのポイント
・進行胆道がんを対象とした第3相のTOPAZ-1試験
・抗PD-L1抗体薬イミフィンジ化学療法有効性安全性を比較検討
併用療法により、長期の生存期間改善メリットを示す

2024年6月26日~29日、ドイツ・ミュンヘンで開催された欧州臨床腫瘍学会世界消化器癌会議(ESMO Gastrointestinal Cancers Congress 2024)にて、進行胆道がんに対する抗PD-L1抗体薬イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ)+ゲムシタビン+シスプラチン併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のTOPAZ-1試験(NCT03875235)の長期フォローアップの結果がSeoul National University HospitalのDo-Youn Oh氏らにより公表された。

TOPAZ-1試験は、進行期胆道がんに対して、イミフィンジ1500mg+ゲムシタビン+シスプラチン併用療法を実施後にイミフィンジ1500mg単剤療法を病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)発現まで実施する群(N=341人)、もしくはプラセボ+ゲムシタビン+シスプラチン併用療法を実施後にプラセボを病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)発現まで実施する群(N=344人)に1対1の割合で振り分け、主要評価項目として全生存期間OS)を比較検証した国際多施設共同二重盲検下の第3相試験である。

本試験の結果、主要評価項目であるOSの中央値はイミフィンジ+化学療法群の12.9ヶ月(95%信頼区間:11.6-14.1ヶ月)に対してプラセボ+化学療法群で11.3ヶ月(95%信頼区間:10.1-12.5ヶ月)と、イミフィンジ+化学療法群で死亡のリスクを26%減少した(HR:0.74,95%信頼区間:0.63-0.87)。36ヶ月OS率はイミフィンジ+化学療法群の14.6%に対してプラセボ+化学療法群で6.9%を示した。

また、30カ月以上の長期生存を達成した患者を対象とした解析でも、全体解析と同等の患者背景を示し、長期生存に影響を与えるサブグループは認められなかった。

以上のTOPAZ-1試験の結果よりDo-Youn Oh氏らは、「進行期胆道がん患者に対する抗PD-L1抗体薬イミフィンジ+化学療法は、3年間の追跡後も、プラセボ+化学療法に比べて臨床的に意義のある生存期間の改善を示しました」と結論付けた。

参照元:
279MO – Three-year survival, safety and extended long-term survivor (eLTS) analysis from the phase III TOPAZ-1 study of durvalumab (D) plus chemotherapy in biliary tract cancer (BTC)(ESMO GI 2024)

×

この記事に利益相反はありません。

会員登録 ログイン