悪性黒色腫に対するオプジーボ+ヤーボイ+レラトリマブ、良好な抗腫瘍効果を示すASCO2024


  • [公開日]2024.06.26
  • [最終更新日]2024.06.27
この記事の3つのポイント
・進行固形がんを対象とした第1/2相のRELATIVITY-048試験の悪性黒色腫コホート
・抗PD-1抗体薬オプジーボ+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイ+抗LAG-3抗体薬レラトリマブ3剤併用の有効性安全性の検討
・3剤併用は悪性黒色腫において良好な抗腫瘍効果を示す

2024年5月31日から6月4日、米国・シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会2024(ASCO 2024)にて、進行固形がんに対する抗PD-1抗体薬であるオプジーボ(一般名:ニボルマブ)+抗CTLA-4抗体薬であるヤーボイ(一般名:イピリムマブ)+抗LAG-3抗体薬であるレラトリマブ併用療法の有効性、安全性を検証した第1/2相のRELATIVITY-048試験(NCT03459222)の悪性黒色腫(メラノーマ)コホートの結果がIstituto Nazionale Tumori IRCCS Fondazione G. PascaleのPaolo Antonio Ascierto氏らにより公表された。

同コホートでは、進行性悪性黒色腫に対する初回治療において、4週を1サイクルとしてオプジーボ480mg+レラトリマブ160mg、更に8週を1サイクルとしてヤーボイ1mg/kgを、病勢進行または予期せぬ有害事象(AE)が発現するまで投与し、主要評価項目として安全性、客観的奏効率ORR)、病勢コントロール率DCR)、奏効持続期間(DOR)、副次評価項目として無増悪生存期間PFS)、探索的評価項目として全生存期間OS)を検証した試験である。

本試験に登録された46人の患者背景は、年齢中央値が61歳、病型はcutaneous acral melanomaが8.7%、BRAF遺伝子変異陽性が50.0%、LAG-3陽性が73.9%、PD-L1陽性が26.1%、術前化学療法歴ありが6.5%であった。

主要評価項目であるORRは58.7%(95%信頼区間:43.2%–73.0%)、DCRは76.1%(95%信頼区間:61.2%–87.4%)を示した。DORの中央値は未到達を示した。

副次評価項目であるPFSは未到達、24ヶ月PFS率は57.2%(95%信頼区間:40.8%–70.5%)、48ヶ月PFS率は51.6%(95%信頼区間:35.3%–65.6%)を示した。

探索的評価項目であるOSの中央値は未到達、24ヶ月OS率は79.8%(95%信頼区間:64.8%–89.0%)、48ヶ月OS率は69.1%(95%信頼区間:52.6%–80.9%)を示した。

グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率は95.7%、グレード3もしくは4のTRAE発症率は39.1%をそれぞれ示した。全グレードの治療関連有害事象(TRAE)による治療中止率は41.3%、死亡率は4.3%(N=3人,体外出血、呼吸困難、免疫介在性筋炎)を示した。

以上の結果よりPaolo Antonio Ascierto氏らは、「悪性黒色腫に対する抗PD-1抗体薬オプジーボ+抗CTLA-4抗体薬ヤーボイ+抗LAG-3抗体薬レラトリマブ併用療法は、良好な抗腫瘍効果を示し、安全性プロファイルも既存の臨床試験で確認されている内容と一致していました」と結論付けた。

参照元:
Efficacy and safety of triplet nivolumab, relatlimab, and ipilimumab (NIVO + RELA + IPI) in advanced melanoma: Results from RELATIVITY-048.(ASCO 2024)

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