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進行がん患者さんの悪液質に対する複合的介入、標準治療と比較して体重減少を遅らせる可能性

[公開日] 2024.06.17[最終更新日] 2024.06.17

2024年5月31日-6月4日、米国シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会2024(ASCO 2024)にて、悪液質に対する多角的なアプローチの効果を検討したMENAC試験の結果が、ノルウェーNorwegian University of Science and TechnologyのTora S.Solheim氏らにより発表された。 悪液質は、進行がん患者の最大80%に影響を及ぼすとされている全身性の代謝障害であるが、十分な研究が進んでおらず、標準的な治療法が定まっていない。 MANAC試験は、悪液質の発症や進行に対して、持久力と筋力を向上させるための運動、栄養カウンセリング、非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェン)、オメガ3脂肪酸を含むサプリメントからなる複数の介入の効果を検討した、医師主導の多施設共同オープンラベル無作為化第3相試験である。 5ヵ国17施設からIII期またはIV期の肺癌およびすい臓がんの患者212人が登録され、介入群(105人)と非介入群(107人)に割り付けられた。全例が緩和的化学療法を受けており、既に悪液質を患っているか、悪液質を発症するリスクが高い症例であった。 主要評価項目である体重変化は、試験開始から6週間後において、介入群で平均0.05kgと平均体重がほぼ変化しなかったのに対し、非介入群では平均0.99kgの減少が認められた(両群における体重変化の平均の差:1.04kg、95%信頼区間:–2.02‐–0.06, p= 0.04)。一方の副次評価項目である筋肉量と1日の平均歩数については、両群で差が認められなかったが、筋肉量や身体機能への影響を評価するには今回の評価期間である6週間では短すぎた可能性も指摘された。 今回の結果から、悪液質に対する複数の介入により、6週時点での体重を安定させることが示された。今後、悪液質に対する多角的アプローチによる患者さんの生活の質、がん治療(有効性や有害事象の発症率など)への影響、生存率など、より長期の追加解析を進めることで、臨床的意義が明らかになることが期待される。 参照元:
Results from a randomised, open-label trial of a multimodal intervention (exercise, nutrition and anti-inflammatory medication) plus standard care versus standard care alone to attenuate cachexia in patients with advanced cancer undergoing chemotherapy.(ASCO 2024)
ニュース 固形がん 悪液質

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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