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ステージIIA-IIIB切除可能非小細胞肺がん(NSCLC)に対する周術期療法としての抗PD-1抗体薬オプジーボ+化学療法、無イベント生存期間(EFS)を統計学的有意に改善

[公開日] 2024.06.04[最終更新日] 2024.10.10

この記事の3つのポイント ・ステージIIA-IIIB切除可能非小細胞肺がん患者が対象の第3相試験 ・周術期療法としてのオプジーボ+化学療法の有効性・安全性をプラセボ+化学療法と比較検証 ・18ヶ月無イベント生存率は、オプジーボ群で70.2%を示し、  プラセボ軍と比較して病勢進行、再発、手術中止、死亡(EFS)のリスクを42%減少した
2024年05月15日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にてステージIIA-IIIB切除可能非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する周術期療法としての抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名:オプジーボ)+化学療法の有効性、安全性を比較検証した第III相のCheckMate 77T試験(NCT04025879)の結果がTina Cascone氏らにより公表された。 本試験は、ステージIIA-IIIB切除可能非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、術前療法として3週を1サイクルとしてオプジーボ+化学療法を4サイクル投与し、その後手術を行い、術後療法として4週を1サイクルとしてオプジーボ単剤療法を1年間実施する群、もしくは術前療法として3週を1サイクルとしてプラセボ+化学療法を投与し、その後手術を行い、術後療法としてプラセボ療法を1年間実施する群に振り分け、主要評価項目として盲検下独立判定による無イベント生存期間(EFS)、副次評価項目として盲検下独立判定による病理学的完全奏効率(pCR)、全生存期間(OS)、安全性を比較検証した第III相試験である。 本試験が開始された背景として、切除可能非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する術前療法としてのオプジーボ+化学療法は、転帰を統計学的有意に改善することが他の臨床試験で示されている。オプジーボ+化学療法は術前療法に加えて術後療法でも投与することで、さらなる転帰の改善が見込まれる可能性がある。以上の背景より、ステージIIA-IIIB切除可能非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する周術期療法としての抗PD-1抗体薬オプジーボ+化学療法の有用性を検証する目的で本試験が開始された。 本試験の結果、主要評価項目である18ヶ月無イベント生存率(EFS)は、オプジーボ群の70.2%に対して化学療法群で50.0%と、オプジーボ群で病勢進行、再発、手術中止、死亡(EFS)のリスクを42%(HR:0.58,97.36%信頼区間:0.42~0.81,P<0.001)減少した。副次評価項目である病理学的完全奏効率(pCR)は、オプジーボ群の25.3%に対して化学療法群で4.7%(ORR:6.64,95%信頼区間:3.40~12.97)を示した。一方の安全性として、グレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)発症率は、オプジーボ群の32.5%に対して化学療法群で25.2%を示した。 以上のCheckMate 77T試験の結果よりTina Cascone氏らは、「ステージIIA-IIIB切除可能非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する周術期療法としての抗PD-1抗体薬オプジーボ+化学療法は、化学療法単独に比べて無イベント生存期間(EFS)を統計学的有意に改善しました」と結論を述べている。 参照元:
Perioperative Nivolumab in Resectable Lung Cancer(N Engl J Med. 2024 May 16;390(19):1756-1769. doi: 10.1056/NEJMoa2311926.)
ニュース 肺がん 周術期非小細胞肺がん

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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