この記事の3つのポイント
・治療歴のあるエストロゲン受容体陽性HER2陰性進行乳がんを対象とした第1b相試験
・サイクリン依存性キナーゼ4/6阻害薬イブランス+タンパク質分解誘導キメラタンパク質であるVepdegestrantの有効性・安全性を検討
・有効性・安全性ともに有望な結果を示す
2024年05月16日、英ファイザー社はプレスリリースにて、複数治療歴のあるエストロゲン受容体(ER)陽性HER2陰性進行乳がんに対するサイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害薬であるイブランス(一般名:パルボシクリブ)+タンパク質分解誘導キメラタンパク質であるVepdegestrant併用療法の有効性、安全性を検証した第1b相試験(NCT04072952)の結果を公表した。
本試験は、複数治療歴のあるER陽性HER2陰性進行乳がん患者(N=46人)に対して、1日1回Vepdegestrant 180mg(N=2人),200mg(N=21人),400mg(N=3人),500mg(N=20人)+1日1回イブランス 125mgを投与し、評価項目として安全性、忍容性、抗腫瘍効果を検証した試験である。
本試験に登録された46人の治療歴は、前治療歴中央値は4レジメンであり、前治療歴の種類はCDK4/6阻害薬が87%、フルベストラントが80%、化学療法が78%であった。
本試験の結果、全体の臨床ベネフィット率(CBR)は63%、全奏効率(ORR)は41.9%、無増悪生存期間(PFS)中央値は11.2ヶ月を示した。また、第3相試験推奨用量であるVepdegestrant 200mgによる治療を受けた患者のPFSの中央値は13.9ヶ月(95%信頼区間:8.1ヶ月-未到達)を示した。
一方の安全性プロファイルに関しては既存の臨床試験で確認されている内容と一致しており、本試験で新たに確認された有害事象(AE)は存在しなかった。
以上の結果より、Sarah Cannon Research Institute in NashvilleのErika Hamilton氏は「複数治療歴のあるエストロゲン受容体陽性HER2陰性進行乳がん患者に対するイブランス+Vepdegestrant併用療法は良好な抗腫瘍効果を示し、忍容性も良好でした」と結論付けた。
参照元:・サイクリン依存性キナーゼ4/6阻害薬イブランス+タンパク質分解誘導キメラタンパク質であるVepdegestrantの有効性・安全性を検討
・有効性・安全性ともに有望な結果を示す
ファイザー株式会社 プレスリリース