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LAG-3発現率1%以上の進行胃がんおよび胃食道接合部がんに対するオプジーボ+化学療法へのレラトリマブの上乗せ、奏効率を改善せず

[公開日] 2024.05.23[最終更新日] 2024.05.23

この記事の3つのポイント ・LAG-3発現率1%以上の進行胃がんおよび胃食道接合部がんを対象とした第2相のRELATIVITY-060試験
・抗PD-1抗体薬オプジーボ+化学療法に対する抗LAG-3抗体薬レラトリマブの上乗せ効果の有効性・安全性を比較検討
・レラトリマブ追加による奏効率の有意な改善は認められず
2024年05月09日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にてLAG-3発現率1%以上の進行胃がんおよび胃食道接合部がんに対する抗PD-1抗体薬オプジーボ(一般名:ニボルマブ)+化学療法への抗LAG-3抗体薬レラトリマブの上乗せ効果を比較検証した第2相のRELATIVITY-060試験の結果がHematology-Oncology Practice EppendorfのSusanna Hegewisch-Becker氏らにより公表された。 RELATIVITY-060試験とは、LAG-3発現率1%以上の進行胃がんおよび胃食道接合部がん患者(N=274人)に対して、オプジーボ+レラトリマブ+化学療法を実施する群(N=138人)、もしくはオプジーボ+化学療法を実施する群(N=136人)に1対1の割合で振り分け、主要評価項目として盲検化された独立中央委員会(BICR)判定の客観的奏効率(ORR)を検証した試験である。 追跡期間中央値11.9ヶ月時点における結果は、主要評価項目であるORRが、オプジーボ+レラトリマブ+化学療法群の48%に対してオプジーボ+化学療法群で61%を示した。 無増悪生存期間(PFS)の中央値は、オプジーボ+レラトリマブ+化学療法群の7.0ヶ月に対してオプジーボ+化学療法群で8.3ヶ月を示し、オプジーボ+レラトリマブ+化学療法群で病勢進行または死亡のリスクを41%増加(HR:1.41,95%信頼区間:0.97-2.05)した。 全生存期間(OS)中央値は、オプジーボ+レラトリマブ+化学療法群の13.5ヶ月に対してオプジーボ+化学療法群で16.0ヶ月を示し、オプジーボ+レラトリマブ+化学療法群で死亡のリスクを4%増加(HR:1.04,95%信頼区間:0.70-1.54)した。 一方の安全性として、グレード3もしくは4の治療関連有害事象(TRAE)発症率は、オプジーボ+レラトリマブ+化学療法群の69%に対してオプジーボ+化学療法群で61%、全グレードのTRAEによる治療中止率はオプジーボ+レラトリマブ+化学療法群の42%に対してオプジーボ+化学療法群で36%を示した。 以上のRELATIVITY-060試験の結果よりSusanna Hegewisch-Becker氏は。「LAG-3発現率1%以上の進行胃がんおよび胃食道接合部がんに対するオプジーボ+レラトリマブ+化学療法は、オプジーボ+化学療法に比べてORRの改善には至りませんでした。抗LAG-3抗体を抗PD-1+化学療法に追加することが、特定のサブグループに利益をもたらすかどうかについては、さらなる研究が必要です」と結論付けた。 参照元:
First-Line Nivolumab and Relatlimab Plus Chemotherapy for Gastric or Gastroesophageal Junction Adenocarcinoma: The Phase II RELATIVITY-060 Study(Journal of Clinical Oncology 2024. doi:10.1200/JCO.23.01636)
ニュース 胃がん レラトリマブ

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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