小野薬品工業株式会社は5月17日、BRAF阻害剤であるビラフトビ(一般名:エンコラフェニブ)カプセルおよびMEK阻害剤であるメクトビ(一般名:ビニメチニブ)錠について、2剤併用療法による「がん化学療法後に増悪したBRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な甲状腺癌」および「BRAF遺伝子変異を有する根治切除不能な甲状腺未分化癌」に対する効能又は効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを発表した。
甲状腺がんは、気管の付近、頸部の前面に位置する甲状腺組織中に発生する悪性腫瘍であり、組織学的には、分化がん(甲状腺がんの約97%)、未分化がん(1~2%)、髄様がん(1~2%)に大別される。日本国内の甲状腺がんの罹患者数は、2023年で約18,700人と推定されており、BRAF遺伝子変異陽性は、甲状腺がん全体の37~68%と報告されている。
今回の承認は、BRAF V600遺伝子変異を有する根治切除不能な甲状腺がん患者22例(甲状腺未分化がん5例を含む)を対象に日本国内で実施されたラフトビ+メクトビ併用療法の有効性および安全性を評価した多施設共同非盲検非対照第2相試験の結果に基づいている。同試験において、全体集団における独立中央判定による奏効率は54.5%(12/22例、95%信頼区間:32.2–75.6%)であり、主要評価項目を達成した。またビラフトビ+メクトビ併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告されているビラフトビとメクトビの臨床試験で認められているものと一貫していた。
参照元:
小野薬品工業株式会社 ニュース
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