この記事の3つのポイント
・切除不能な局所進行食道扁平上皮がんを対象とした第3相CRTCOESC試験
・根治的同時化学放射線療法におけるカペシタビンまたはXELOX療法とPF療法の有効性・安全性を比較検討
・カペシタビンまたはXELOX療法はPFに対する優位性を示せず
2024年05月06日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて、切除不能な局所進行食道扁平上皮がん(ESCC)に対するカペシタビン単剤療法、カペシタビン+オキサリプラチン併用(XELOX)療法、フルオロウラシル+シスプラチン併用(PF)療法の有効性、安全性を比較検証した第3相CRTCOESC試験(NCT02025036)の結果がHenan Key Laboratory of Cancer EpigeneticsのRuinuo Jia氏らにより公表された。
本試験は、切除不能局所進行性ESCC患者(N=246人)に対し、根治的同時化学放射線療法におけるカペシタビン単剤療法(N=80人)、XELOX療法(N=85人)、PF療法(N=81人)を実施し、主要評価項目として2年全生存率(OOS)、グレード3以上の有害事象(AE)発症率を比較検証した第3相試験である。
本試験の結果、主要評価項目である2年全生存率(OOS)は、カペシタビン単剤群で75%、XELOX療法群で66.7%、PF療法群で70.9%を示した。全生存期間(OS)中央値はカペシタビン単剤群で40.9ヵ月(95%信頼区間:34.4-49.9ヵ月)、XELOX療法群で41.9ヵ月(95%信頼区間:28.6-52.1ヵ月)、PF療法群で35.4ヵ月(95%信頼区間:30.4-45.4ヵ月)を示した。
グレード3以上の有AE発症率は、カペシタビン単剤群で28.8%、XELOX療法群で36.5%、PF療法群で45.7%を示した。
以上の第3相試験の結果よりRuinuo Jia氏らは、「切除不能局所進行性ESCCに対するカペシタビン単剤療法、XELOX療法は、PF療法に比べて2年全生存率を統計学的有意に改善しなかった。一方、グレード3以上のAE発症率は、PF療法に比べてカペシタビン単剤で低率でした」と結論を述べた。
参照元:・根治的同時化学放射線療法におけるカペシタビンまたはXELOX療法とPF療法の有効性・安全性を比較検討
・カペシタビンまたはXELOX療法はPFに対する優位性を示せず
Capecitabine or Capecitabine Plus Oxaliplatin Versus Fluorouracil Plus Cisplatin in Definitive Concurrent Chemoradiotherapy for Locally Advanced Esophageal Squamous Cell Carcinoma (CRTCOESC)(Journal of Clinical Oncology 2024. doi:10.1200/JCO.23.02009)