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ミスマッチ修復機能欠損の婦人科がんに対するオプジーボ、良好な抗腫瘍効果を示す

[公開日] 2024.05.14[最終更新日] 2024.05.14

この記事の3つのポイント ・ミスマッチ修復機能欠損の婦人科がんを対象とした第2相試験
・抗PD-1抗体薬であるオプジーボ単剤療法の有効性・安全性を比較検討
・主要評価項目を満たす効果を示すとともに、有効な患者集団を特定
2024年04月23日、医学誌『nature medicine』にてミスマッチ修復機能欠損(Deficient Mismatch Repair: dMMR)婦人科がんに対する抗PD-1抗体薬であるオプジーボ(一般名:ニボルマブ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT03241745)の結果がMemorial Sloan Kettering Cancer CenterのClaire F. Friedman氏らにより公表された。 本試験は、dMMRを有する子宮がんまたは卵巣がん患者に対して、2週もしくは4週を1サイクルとしてオプジーボ240mgもしくは480mg単剤を病勢進行または有害事象(AE)が発現するまで投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、24週時点での無増悪生存率(PFS24)、副次評価項目として全生存期間(OS)、病勢コントロール率(DCR)、奏効持続期間(DOR)、安全性等を検証した単群試験である。 本試験に登録された35人の患者背景は、年齢中央値が64歳(36-87歳)、人種は白人が77%、黒人が11%、アジア人が6%、またがんの種類は子宮内膜がんが最も多く83%を占めていた。 本試験の結果、主要評価項目であるORRは58.8%(97.5%信頼区間:40.7%–100%)、またもう1つの主要評価項目であるPFS24は64.7%(97.5%信頼区間:46.5%–100%)を示した。2つの主要評価項目は事前に計画した主要評価項目達成基準を満たした。 副次評価項目であるDCRは73.5%(95%信頼区間:55.6–87.1%)、またフォローアップ期間中央値42.1ヶ月(8.9-59.8ヶ月)時点におけるOSの中央値は未到達、1年生存率は79%(95%信頼区間:60.9%–89.4%)を示した。 一方の安全性として、全グレードの治療関連有害事象(TRAE)発症率は91%(N=32人)、関節痛が29%(N=10人)、疲労が29%(N=10人)、疼痛が29%(N=10人)、そう痒症が29%(N=10人)を示し、大半の治療関連有害事象(TRAE)はグレード1、2であった。 探索的解析では、機能不全の免疫細胞(T細胞)の存在、およびプログラム細胞死リガンド1(PD-L1)陽性細胞との相互作用は、独立してPFS24と関連していた。また、MEGF8i遺伝子、SETD1B遺伝子の体細胞突然変異の有無がPFS24はと関連していた。 以上の結果を受け、「ミスマッチ修復機能欠損の婦人科がんに対するオプジーボの効果は、主要評価項目を早期に達成し、有効性に関連するいくつかの遺伝的および腫瘍微小環境パラメータを明らかにしました」と結論付けた。 参照元:
Nivolumab for mismatch-repair-deficient or hypermutated gynecologic cancers(Nature Medicine 2024. doi:10.1038/s41591-024-02942-7)
ニュース 卵巣がん dMMR

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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