国立がん研究センター中央病院とNHK財団は5月7日、日本発の8Kスーパーハイビジョン技術(8K技術)を用いて、大腸がん患者さんを対象とした臨床試験を世界に先駆けて開始したことを発表した。
今回の試験では、8K技術を使った腹腔鏡手術システムで手術映像をリアルタイムに送受信し、遠隔で手術支援を行うことの安全性・有効性、および通常外科医3名で行う腹腔鏡手術を1名減らしても質の高い腹腔鏡下直腸切除術が実施できるかどうかを評価する。
同システムは、既に動物を用いた実証実験において、外科医の内視鏡技術の向上と、手術時間の短縮を確認している。今回の実施する大腸がんでの試験結果を踏まえ、医療機器としての承認に向けた計画の策定および遠隔手術支援の普及を進めていく予定だ。
8K技術は、従来のハイビジョンの16倍にあたる3,300万画素の超高精細映像で、その密度は人間の網膜に迫ると言われる日本発の最先端の放送技術。この8K映像を遠隔手術支援型の内視鏡手術機器に応用するのは初の試みで、本臨床試験で有用性が示された場合には、質の高い遠隔手術支援が実現し、日本において課題である外科医や高度医療技術の偏在並びに不足の解消に寄与することが期待される。
参照元:
国立がん研究センター プレスリリース
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