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完全切除後のIB-IIA期ALK陽性非小細胞肺がんに対する術後療法としてのアレセンサ、無増悪生存期間を有意に改善

[公開日] 2024.05.02[最終更新日] 2024.10.10

この記事の3つのポイント ・完全切除後のIB-IIA期ALK陽性非小細胞肺がんを対象とした第3相ALINA試験
・術後療法としてのアレセンサの有効性・安全性を比較検討
・アレセンサにより無増悪生存期間が有意に改善
2024年04月10日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて完全切除後のIB-IIA期ALK陽性非小細胞肺がんに対する術後療法としてのALK阻害薬であるアレセンサ(一般名:アレクチニブ)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相ALINA試験(NCT03456076)の結果がGuangdong Lung Cancer InstituteのYi-Long Wu氏らにより公表された。 本試験は、完全切除後のIB-IIA期ALK陽性非小細胞肺がん患者(N=257人)に対する術後療法として、1日2回アレセンサ600mg単剤を24ヶ月投与する群(N=130人)、もしくは21日を1サイクルとしてプラチナ系抗がん剤を4サイクル投与する群(N=127人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(DFS)、その他評価項目として中枢神経系(CNS)の無増悪生存期間(DFS)等を比較検証した国際多施設共同オープラベルの第3相試験である。 本試験の結果、II/IIIA期患者群における主要評価項目である24ヶ月DFSは、アレセンサ単剤群の93.8%に対して化学療法群で63.0%と、アレセンサ群で病勢進行または死亡のリスクを76%(HR:0.24,95%信頼区間:0.13-0.45,P<0.001)減少した。IB期を含む全患者(ITT)群における24ヶ月DFSは、アレセンサ単剤群の93.6%に対して化学療法群で63.7%と、アレクチニブ単剤群で病勢進行または死亡のリスクを76%(HR:0.24,95%信頼区間:0.13-0.43,P<0.001)減少した。 その他の評価項目であるCNSのDFSは、化学療法群に比べてアレセンサ単剤群で臨床的意義のある改善が確認された(HR:0.22,95%信頼区間:0.08-0.58)。全生存期間(OS)のデータ未成熟であった。 以上の結果よりYi-Long Wu氏らは、「完全切除後のIB-IIA期ALK陽性非小細胞肺がん患者に対する術後療法としてのALK阻害薬アレセンサ単剤療法は、化学療法群に比べてDFSを統計学的有意に改善しました」と結論付けた。 参照元:
Alectinib in Resected ALK-Positive Non–Small-Cell Lung Cancer(N Engl J Med 2024. doi:10.1056/NEJMoa2310532)
ニュース 肺がん 術後療法非小細胞肺がん

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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