この記事の3つのポイント
・切除不能進行褐色細胞腫/傍神経節腫を対象とした第2相のNatalie試験
・マルチキナーゼ阻害薬であるカボメティクスの有効性・安全性を検証
・カボメティクスは有望な奏効率を示す
2024年04月09日、医学誌『The Lancet Oncology』にて、切除不能進行褐色細胞腫/傍神経節腫に対するマルチキナーゼ阻害薬カボメティクス(一般名:カボザンチニブ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相のNatalie試験(NCT02302833)の結果がThe University of Texas MD Anderson Cancer CenterのCamilo Jimenez氏らにより公表された。
Natalie試験は、切除不能進行褐色細胞腫/傍神経節腫患者に対して1日1回カボメティクス60mgを投与し、主要評価項目として主治医評価の客観的奏効率(ORR)を検証した試験である。
本試験には17人の患者(男性参加者13人、女性参加者4人)が登録された。
追跡期間の中央値25ヶ月時点における結果、主要評価項目である主治医評価のORRは25.0%(95%信頼区間:7.3%-52.4%,N=4/16人)を示した。
一方の安全性として、グレード3以上の有害事象(AE)は6人(計7件)で確認され、その内訳は手足症候群、高血圧、直腸瘻、QT延長、無症候性低マグネシウム血症がそれぞれ1人、またアミラーゼ増加、リパーゼ増加がそれぞれ2人に認められた。グレード4以上のAEは確認されなかった。
以上のNatalie試験の結果より、Camilo Jimenez氏らは「切除不能進行褐色細胞腫/傍神経節腫に対するマカボメティクス単剤療法は、有望な抗腫瘍効果を示しました」と結論を述べた。
参照元:・マルチキナーゼ阻害薬であるカボメティクスの有効性・安全性を検証
・カボメティクスは有望な奏効率を示す
Cabozantinib in patients with unresectable and progressive metastatic phaeochromocytoma or paraganglioma (the Natalie Trial): a single-arm, phase 2 trial(The Lancet Oncology 2024. doi:10.1016/S1470-2045(24)00133-5)