進行性胃がん/食道胃接合部腺がんに対する二次治療としてのFOLFIRI+イミフィンジ±イジュド、有効性は限定的JAMA Oncologyより


  • [公開日]2024.04.18
  • [最終更新日]2024.04.15
この記事の3つのポイント
・進行性胃がん/食道胃接合部腺がんを対象とした第2相のPRODIGE 59-FFCD 1707-DURIGAST試験
二次治療としてのFOLFIRI+イミフィンジ±イジュド有効性を検証
安全性は示されるも有効性は特定のサブグループのみ

2024年04月04日、医学誌『JAMA Oncology』にて進行性胃がん/食道胃接合部腺がんに対する二次治療としてのFOLFIRI+抗PD-L1抗体薬であるイミフィンジ(一般名:デュルバルマブ)±抗CTLA-4抗体薬であるイジュド(一般名:トレメリムマブ併用療法の有効性、安全性を比較検証した第2相のPRODIGE 59-FFCD 1707-DURIGAST試験(NCT03959293)の結果がPoitiers University HospitalのDavid Tougeron氏らにより公表された。

PRODIGE 59-FFCD 1707-DURIGAST試験は、進行性胃がん/食道胃接合部腺がんに対する二次治療としてFOLFIRI+イミフィンジ(2剤)併用療法を実施する群、もしくはFOLFIRI+イミフィンジ+イジュド(3剤)併用療法を実施する群に無作為に振り分け、主要評価項目として4ヶ月無増悪生存率PFS)を比較検証した多施設共同ランダム化の第2相試験である。本試験に登録された96人の患者背景は、年齢中央値が59.7歳。性別は女性が30.4%(N=28人)であった。

主要評価項目である4ヶ月PFSは、2剤併用群の44.7%(90%信頼区間:32.3%-57.7%)に対して3剤併用群で55.6%(90%信頼区間:42.3%-68.3%)と、主要評価項目達成基準は未到達であった。PFSの中央値は2剤併用群の3.8ヶ月に対して3剤併用群で5.4ヶ月を示した。

その他評価項目である客観的奏効率ORR)は、2剤併用群の34.7%に対して3剤併用群で37.7%、全生存期間OS)中央値は2剤併用群の13.2ヶ月に対して3剤併用群で9.5ヶ月を示した。1年病勢コントロール率DCR)は、2剤併用群の14.9%に対して3剤併用群で24.4%を示した。

PD-L1陽性率別のPFSの中央値は、combined positive score (CPS)スコアで見た場合には、5以上の集団の3.6ヶ月に対して5未満の集団で5.4ヶ月、一方tumor proportion score (TPS)スコアで見た場合には、1%以上の集団の6.0ヶ月に対して1%未満の集団で3.8ヶ月と逆の傾向を示した。

安全性に関しては、グレード3もしくは4の治療関連有害事象(TRAE)発症率は、2剤併用群の47.8%に対して3剤併用群で47.8%を示した。

以上のThe PRODIGE 59-FFCD 1707-DURIGAST試験の結果よりPoitiers University Hospital・David Tougeron氏らは、「進行性胃がん/食道胃接合部腺がんに対する二次治療としてのFOLFIRI+イミフィンジ±イジュド併用療法は、良好な忍容性を示しましたが、抗腫瘍効果は一部の患者にのみ確認されました」と結論を述べた。

参照元:
FOLFIRI Plus Durvalumab With or Without Tremelimumab in Second-Line Treatment of Advanced Gastric or Gastroesophageal Junction Adenocarcinoma(JAMA Oncol 2024. doi:10.1001/jamaoncol.2024.0207)

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