この記事の3つのポイント
・進行/再発子宮体がんを対象とした第3相RUBY/ENGOT-EN6/GOG3031/NSGO試験
・ドスタルリマブ+化学療法後、維持療法のドスタルリマブおよびドスタルリマブ+ゼジューラの有効性・安全性を検証
・ミスマッチ修復機能の状態によらず、ドスタルリマブ併用療法により有意に生存期間を改善
英グラクソ・スミスクライン社は03月16日、進行/再発子宮体がんに対する抗PD-1抗体ドスタルリマブ併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のRUBY/ENGOT-EN6/GOG3031/NSGO試験の結果を公表した。
RUBY/ENGOT-EN6/GOG3031/NSGO試験はPart1、Part2に分かれており、Part1では進行/再発子宮体がんに対してドスタルリマブ+カルボプラチン+パクリタキセルを投与し、維持療法としてドスタルリマブ単剤を投与する群、もしくはカルボプラチン+パクリタキセルを投与し、維持療法としてプラセボ単剤を投与する群に分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を比較検証している。
Part2では、進行/再発子宮体がんに対してドスタルリマブ+カルボプラチン+パクリタキセルを投与し、維持療法としてドスタルリマブ+ニラパリブ併用療法を実施する群、もしくはカルボプラチン+パクリタキセルを投与し、維持療法としてプラセボ単剤を投与する群に分け、主要評価項目としてPFS、重要な副次評価項目としてOSを比較検証している。
Part1の結果、主要評価項目であるOSの中央値は、ドスタルリマブ+化学療法群の44.6ヶ月(95%信頼区間:32.6ヶ月–未到達)に対して化学療法群で28.2ヶ月(95%信頼区間:22.1–35.6ヶ月)と、ドスタルリマブ+化学療法群で死亡のリスクが31%改善した(HR:0.69,95%信頼区間:0.539–0.890,P=0.002)。
ミスマッチ修復機能欠損(dMMR)もしくはマイクロサテライト不安定性(MSI-High)患者群におけるOSの中央値は、ドスタルリマブ+化学療法群の未到達(95%信頼区間:未到達)に対して化学療法群で31.4ヶ月(95%信頼区間:20.3ヶ月-未到達)と、ドスタルリマブ+化学療法群で死亡のリスクが68%改善した(HR:0.32,95%信頼区間:0.166–0.629)。
ミスマッチ修復機構欠損のない(pMMR)またはマイクロサテライト安定性(MSS)患者群におけるOSの中央値は、ドスタルリマブ+化学療法群の34.0ヶ月(95%信頼区間:28.6ヶ月-未到達)に対して化学療法群で27.0ヶ月(95%信頼区間:21.5–35.6ヶ月)と、ドスタルリマブ+化学療法群で死亡のリスクが21%改善した(HR:0.79,95%信頼区間:0.602–1.044)。
一方のPart2の結果、主要評価項目であるPFSの中央値は、ドスタルリマブ+化学療法+ニラパリブ群の14.5ヶ月に対して化学療法群で8.3ヶ月と、ドスタルリマブ+化学療法+ニラパリブ群で病勢進行または死亡のリスクが40%改善した(HR:0.60,95%信頼区間:0.43–0.82)。
ミスマッチ修復機構欠損のない(pMMR)またはマイクロサテライト安定性(MSS)患者群におけるPFSの中央値は、ドスタルリマブ+化学療法+ニラパリブ群の14.3ヶ月に対して化学療法群で8.3ヶ月と、ドスタルリマブ+化学療法+ニラパリブ群で病勢進行または死亡のリスクが37%改善した(HR:0.63,95%信頼区間:0.44–0.91)。
なお同結果の詳細は、3月16日から18日までサンディエゴで開催された米国婦人科腫瘍学会(The Society of Gynecologic Oncology、SGO)2024 Annual Meeting on Women’s Cancerにて発表された。
参照元:・ドスタルリマブ+化学療法後、維持療法のドスタルリマブおよびドスタルリマブ+ゼジューラの有効性・安全性を検証
・ミスマッチ修復機能の状態によらず、ドスタルリマブ併用療法により有意に生存期間を改善
英グラクソ・スミスクライン社 プレスリリース