第一三共株式会社は3月14日、抗TROP2抗体薬物複合体であるダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd)について、ホルモン受容体(HR)陽性かつHER2陰性(IHC 0, IHC 1+ または IHC 2+/ISH-)の手術不能または転移性乳がんに係る二次/三次治療を対象とした製造販売承認申請を行ったことを発表した。
TROP2は、HR陽性かつHER2陰性の乳がんに高発現するタンパク質の一種で、がんの進行や生存率の低下に関係していると言われている。ダトポタマブ デルクステカンは、がん細胞の細胞膜上に高発現するTROP2と特異的に結合するヒト化モノクローナル抗体に、第一三共独自のリンカーを介してトポイソメラーゼⅠ阻害剤を結合させた薬剤。1つの抗体につき約4個のトポイソメラーゼⅠ阻害剤結合しており、これをがん細胞内に直接届けることで、全身の細胞が薬物に晒されることを軽減するように設計されている。
今回の申請は、2023年10月に開催された欧州臨床腫瘍学会(ESMO 2023)で発表された、化学療法の前治療歴のあるHR陽性かつHER2陰性の手術不能または転移性乳がん患者を対象とした第3相臨床試験(TROPION-Breast01)の結果に基づくものである。
第一三共はプレスリリースの中で、「HR陽性かつHER2陰性の乳がん患者さんへ新たな治療の選択肢を提供することで、日本のより多くのがん患者さんに貢献できるものと期待しております」とコメントしている。
参照元:
第一三共株式会社 プレスリリース
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