治療歴のある再発難治性慢性リンパ性白血病に対するベネクレクスタ、良好な抗腫瘍効果を示すThe Lancet Oncologyより


  • [公開日]2024.03.13
  • [最終更新日]2024.03.12
この記事の3つのポイント
・治療歴のある再発難治性慢性リンパ性白血病を対象とした第3b相VENICE-1試験
BCL-2阻害薬であるベネクレクスタ単剤の有効性安全性を検証
・BCR阻害薬治療歴の有無に関わらず持続的で良好な奏効を示す

2024年03月08日、医学誌「The Lancet Oncology」にて治療歴のある再発難治性慢性リンパ性白血病(CLL)に対するBCL-2阻害薬であるベネクレクスタ(一般名:ベネトクラクス)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3b相のVENICE-1試験(NCT02756611)の結果がUniversity of AmsterdamのArnon P Kater氏らにより公表された。

本試験は、治療歴のある再発難治性CLL患者に対して、1日1回ベネクレクスタ400mg単剤療法を最大108週間投与し、主要評価項目として完全寛解率を検証した単群の多施設共同オープンラベル第3相試験である。

本試験に登録された258人の患者背景は、男性が70%(N=180人)、人種は白人が98%(N=252人)、BCR阻害薬治療歴なしの患者が191人、BCR阻害薬治療歴ありの患者が67人であった。フォローアップ期間中央値49.5ヶ月時点における結果は下記の通りである。

BCR阻害薬治療歴なしの患者群における完全寛解率は35%(95%信頼区間:27.8%-41.8%)、BCR阻害薬治療歴ありの患者群における完全寛解率は27%(95%信頼区間:16.8%-39.1%)を示した。

一方の安全性として、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は79%(N=203人)、重篤な有害事象(SAE)発症率は53%(N=136人)を示した。主なTRAEは好中球減少症が37%(N=96人)、主なSAEは肺炎が8%(N=21人)であった。有害事象による死亡率は5%(N=13人)を示し、ベネクレクスタ関連の死亡は1人であった。

以上の結果よりArnon P Kater氏らは、「治療歴のある再発難治性CLL患者に対するBCL-2阻害薬ベネクレクスタ単剤療法は、BCR阻害薬治療歴の有無に関わらず持続的で良好な奏効を示し、有効な治療戦略であることを示唆しています」と結論を述べた。

参照元:
Activity of venetoclax in patients with relapsed or refractory chronic lymphocytic leukaemia: analysis of the VENICE-1 multicentre, open-label, single-arm, phase 3b trial(The Lancet Oncology 2024. DOI: 10.1016/S1470-2045(24)00070-6)

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