この記事の3つのポイント
・治療歴のある再発難治性慢性リンパ性白血病を対象とした第3b相VENICE-1試験
・BCL-2阻害薬であるベネクレクスタ単剤の有効性・安全性を検証
・BCR阻害薬治療歴の有無に関わらず持続的で良好な奏効を示す
2024年03月08日、医学誌「The Lancet Oncology」にて治療歴のある再発難治性慢性リンパ性白血病(CLL)に対するBCL-2阻害薬であるベネクレクスタ(一般名:ベネトクラクス)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3b相のVENICE-1試験(NCT02756611)の結果がUniversity of AmsterdamのArnon P Kater氏らにより公表された。
本試験は、治療歴のある再発難治性CLL患者に対して、1日1回ベネクレクスタ400mg単剤療法を最大108週間投与し、主要評価項目として完全寛解率を検証した単群の多施設共同オープンラベル第3相試験である。
本試験に登録された258人の患者背景は、男性が70%(N=180人)、人種は白人が98%(N=252人)、BCR阻害薬治療歴なしの患者が191人、BCR阻害薬治療歴ありの患者が67人であった。フォローアップ期間中央値49.5ヶ月時点における結果は下記の通りである。
BCR阻害薬治療歴なしの患者群における完全寛解率は35%(95%信頼区間:27.8%-41.8%)、BCR阻害薬治療歴ありの患者群における完全寛解率は27%(95%信頼区間:16.8%-39.1%)を示した。
一方の安全性として、グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は79%(N=203人)、重篤な有害事象(SAE)発症率は53%(N=136人)を示した。主なTRAEは好中球減少症が37%(N=96人)、主なSAEは肺炎が8%(N=21人)であった。有害事象による死亡率は5%(N=13人)を示し、ベネクレクスタ関連の死亡は1人であった。
以上の結果よりArnon P Kater氏らは、「治療歴のある再発難治性CLL患者に対するBCL-2阻害薬ベネクレクスタ単剤療法は、BCR阻害薬治療歴の有無に関わらず持続的で良好な奏効を示し、有効な治療戦略であることを示唆しています」と結論を述べた。
参照元:・BCL-2阻害薬であるベネクレクスタ単剤の有効性・安全性を検証
・BCR阻害薬治療歴の有無に関わらず持続的で良好な奏効を示す
Activity of venetoclax in patients with relapsed or refractory chronic lymphocytic leukaemia: analysis of the VENICE-1 multicentre, open-label, single-arm, phase 3b trial(The Lancet Oncology 2024. DOI: 10.1016/S1470-2045(24)00070-6)